新興国ファンドの資金動向に明暗、「政権交代」がカギ

 インドやインドネシアに投資するファンドへの資金流入が続いている。国内公募追加型株式投信(確定拠出年金専用ファンド、ラップ口座専用ファンド、ETFなどを除く)について見ると、モーニングスターカテゴリー「国際株式・インド(為替ヘッジなし)」は、12年4月から今年5月まで26カ月続いた純資金流出に歯止めが掛かり、6月以降は3カ月連続(8月は推計値)で純資金流入となった。また、インドネシアは、株式に投資するファンドが資金流出傾向にあるものの、株式ファンドより人気が高い債券ファンドへの資金流入は好調。「国際債券・エマージング・単一国(為替ヘッジなし)」のうち、インドネシア債券に投資するファンドは8月まで5カ月連続で純資金流入となった。

 両国に共通するのは、政権交代によって経済改革への期待が高まっていることだ。インドが純資金流入に転じたのは、ナレンドラ・モディ首相が就任した5月。同氏が進める財政再建やインフラ投資への期待が投資資金を呼び込んでいる。同じくインドネシアでは、ジョコ・ウィドド次期大統領が経済停滞の一因とされる腐敗した官僚制度に切り込むと見られ、期待が高まっている。

 もっとも、9月現在、多くの新興国の株価が年初来高値圏にあるなか、すべての国がインドやインドネシアのように投資家の信頼を取り戻したわけではない。新興国株式ファンド全体を見ると、8月まで16カ月連続で純資金流出という状況にあり、最大の経済規模を誇る中国の株式に投資するファンド(「国際株式・中国<為替ヘッジなし>」)は、7カ月連続の純資金流出と不調が続いている。

 こうした現状を見ると、経済をけん引する新政権の登場が、投資資金の動向に差をつけているようだ。目先では10月にブラジルの大統領選が予定されており、政権交代の可能性も意識されている。ブラジル株式ファンド(「国際株式・ブラジル<為替ヘッジなし>」)は17カ月連続の純資金流出と人気が低迷しているだけに、選挙結果を受けて流れが変わるか注目される。
提供:モーニングスター社
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