“高利回り”“高配当”がキーワード、投資家の資金の受け皿に―7月推計資金流出入

<資金流入額の第2位に返り咲いた国内REIT型>

 7月は、6月におきた英国のEU(欧州連合)離脱(Brexit)による混乱にも歯止めがかかり、マーケットは徐々に落ち着きを取り戻すなか、モーニングスターの独自推計によると国内追加型株式投信(ETF除く)は351億円の純資金流入となった。20カ月連続の流入超過となったものの、流入額は前月の約8分の1と大幅に減少しており、勢いは少々弱まった感がある。大分類別では「国際REIT型」が1483億円、「国内REIT型」は572億円の資金流入と第1位、第2位を国内外のREIT型ファンドが独占した。前月に引き続き、マイナス金利下において高利回りを求める投資家の資金の受け皿になっている。

 2カ月ぶりに第2位に返り咲いた「国内REIT型」はパフォーマンスにおいても良好だ。参考までに、2016年6月末時点における主要資産の過去1年間のトータルリターンを見ると、プラスのリターンを獲得したのは「国内債券」の5.32%と「国内REIT」の1.66%のみで、他の資産はマイナスとなった。

 なお、「国内REIT型」ファンドのうち、個別純資金流入額上位では「ダイワJ−REITオープン(毎月分配型)」<2004051801>が124億円、「しんきんJリートオープン(毎月決算型)」<2005020102>は57億円となり、通貨選択型ファンドではあるものの「通貨選択型Jリート・ファンド(毎月)レアル」<2011010604>も72億円となった。

<オーストラリア株式のうち、高配当株がけん引役>

 主要先進国の中でも堅調に経済回復へと向かっているオーストラリア株式への資金流入にも注目したい。オーストラリア株式に投資するファンドが分類されるモーニングスターカテゴリー「国際株式・オセアニア(為替ヘッジなし)」は、7月に372億円の純資金流入となり、流入超過は7カ月連続。主要先進国である北米や欧州、新興国の代表格ともいえるBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国を表す造語)の2016年1−7月までの資金流出入動向と比較しても、オセアニアへの資金流入額が群を抜いて高水準となった。

 また、「国際株式・オセアニア(為替ヘッジなし)」に属するファンドのうち、高利回りを求める投資家の高配当株に投資するファンドへの資金流入の傾向が強くなっている。「LM・オーストラリア高配当株ファンド(毎月)」<2011092902>が270億円と「国際株式・オセアニア(為替ヘッジなし)」の資金流入のけん引役となっており、個別ファンド全体のうち資金流入額第4位となった。このほかにも上位には「ニッセイ オーストラリア高配当株F(毎月)」<2012060801>の60億円が入った。

 一方で、国際株式型ファンド全体のパフォーマンスはあまり優れないことには注意したい。主要先進国およびBRICs株式型ファンドのカテゴリー別トータルリターンは、2016年6月末までの過去1年間ですべてマイナスとなった。「国際株式・オセアニア(為替ヘッジなし)」は−13.02%と7カテゴリーのうちリターン上位(第2位)となり、「国際株式・中国(為替ヘッジなし)」の−30.39%や「国際株式・欧州(為替ヘッジなし)」の−25.54%などと比較して相対的に下落幅は抑えられているものの、今後の経済動向による相場環境の変化には注目しておく必要がある。
提供:モーニングスター社
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