<★★★★★>野村アセット「グローバル・バリュー・オープン」、世界の優良企業から高ROE銘柄に投資
野村アセットマネジメントが設定・運用する「グローバル・バリュー・オープン」<1996112904>は2017年2月末基準でモーニングスターレーティング最高格付けの★★★★★に格上げされた。3年(年率)トータルリターンが10.46%とカテゴリー(国際株式・グローバル・含む日本<F>)平均(5.70%)を大きく上回る。同ファンドの運用を実質的に行っているノムラ・アセット・マネジメントU.K.リミテッドの浦山大輔シニア・ポートフォリオマネージャーに、運用の特徴等を聞いた。
――優れた運用成績の背景は?
当ファンドは、ファンド名からの連想で、PERやPBRが市場平均よりも低い銘柄に注目するバリュー・スタイルの運用と勘違いされることがあるが、運用方針は一般のバリュー戦略とは異なる特徴がある。
投資対象銘柄は、優良株に限定し、個々の企業ごとに当社の独自判断で算出した適正株価や配当利回りを中心としたバリュエーション指標を利用し、その適正株価から見て割安な銘柄を買っている。市場平均のPERやPBR並みの株価だとしても、当社の分析結果と比較して割安であれば組み入れることに躊躇(ちゅうちょ)することはない。優良銘柄の区分は、(1)安定的な収益力(2)収益を生み出す仕組み(技術力、ブランド力など)の有効性(3)株主還元重視の姿勢――などから判断している。
収益力の判断は、ROE(株主資本利益率)を重視している。ROEは、その水準が高いことも重要だが、同時に、長期にわたって高い水準を維持できているかにも注目している。景気の山や谷においても高い利益率を維持できる底力が大事だと考えているためだ。そして、その利益率を将来も維持できるかどうかという点については、企業を訪問し、直接対話によって見極めている。また、株主還元の姿勢を見るうえで、配当利回り、配当の連続性や増配などについても考慮している。
配当利回りに配慮したポートフォリオであるため、近年の世界的な金融緩和による低金利環境で、安定配当銘柄を物色するという流れが、ファンドの追い風のひとつになった。また、ファンドの性格上、2000年のITバブル時や、リーマン・ショックから立ち直る2009年当時のように、市場が20−30%という勢いで急上昇する局面には市場の値動きについていけない傾向があるが、近年は景気が緩やかに回復するなか、各企業の業績拡大基調を評価する相場展開であったため、当ファンドにとっては市場をアウトパフォームしやすかったといえる。
――調査体制は?
当ファンドの運用には、4名のポートフォリオ・マネジャーと10名のアナリストという体制で企業調査している。調査対象銘柄は約400銘柄だ。ロンドンは、アジアとアメリカの両方にまたがる時間帯をカバーできるので、グローバル株式の運用拠点としては、地の利がある。
――これからも好調なパフォーマンスが維持できるか?
当ファンドは個別銘柄調査の積み重ねで市場をアウトパフォームする戦略だが、ファンドのパフォーマンスは金利上昇の影響を受ける可能性がある。ポートフォリオは市場平均を上回る配当利回り水準にしているため、金利が上昇する局面では各資産クラス間の相対的な魅力度が低下するためだ。ただ、マクロ環境の影響により、当ファンドが投資対象にしている優良銘柄が売られる局面は、長期的には割安な水準で銘柄を購入できるチャンスととらえることができる。金利の上昇で短期的に厳しい局面があったとしても、長期には市場をアウトパフォームできると考えている。
一方、米国のトランプ政権がインフラ投資や減税策などの主要政策を実行できるかという点は依然として不確かだ。米国株の上昇は期待感が先行しているという見方もできる。欧州は、主要国で大きな選挙を控え懸念材料が多いものの、欧州の景気はギリシャ危機などの当時と比較するとずっと良くなっている。当面はさまざまなノイズを受けた不安定な相場となり、一進一退の展開が続く可能性がある。そのような不透明な市場であれば、高ROE、安定配当の当ファンドが再注目されることも期待される。
ファンドは、1−2年といった短期の収益獲得をめざしていない。ROEが高い世界的な優良銘柄をじっくり持って、中・長期的な成長をしっかり取っていくという戦略だ。ROEが高い銘柄が、割安になった水準を待って買っていくという戦略は、短期で成果を求める投資家にはじれったいかもしれないが、長期では良好なパフォーマンスを生み出すと考えられる。ぜひ、長期に運用するコアになる資産として当ファンドをご検討いただきたい。
提供:モーニングスター社
――優れた運用成績の背景は?
当ファンドは、ファンド名からの連想で、PERやPBRが市場平均よりも低い銘柄に注目するバリュー・スタイルの運用と勘違いされることがあるが、運用方針は一般のバリュー戦略とは異なる特徴がある。
投資対象銘柄は、優良株に限定し、個々の企業ごとに当社の独自判断で算出した適正株価や配当利回りを中心としたバリュエーション指標を利用し、その適正株価から見て割安な銘柄を買っている。市場平均のPERやPBR並みの株価だとしても、当社の分析結果と比較して割安であれば組み入れることに躊躇(ちゅうちょ)することはない。優良銘柄の区分は、(1)安定的な収益力(2)収益を生み出す仕組み(技術力、ブランド力など)の有効性(3)株主還元重視の姿勢――などから判断している。
収益力の判断は、ROE(株主資本利益率)を重視している。ROEは、その水準が高いことも重要だが、同時に、長期にわたって高い水準を維持できているかにも注目している。景気の山や谷においても高い利益率を維持できる底力が大事だと考えているためだ。そして、その利益率を将来も維持できるかどうかという点については、企業を訪問し、直接対話によって見極めている。また、株主還元の姿勢を見るうえで、配当利回り、配当の連続性や増配などについても考慮している。
配当利回りに配慮したポートフォリオであるため、近年の世界的な金融緩和による低金利環境で、安定配当銘柄を物色するという流れが、ファンドの追い風のひとつになった。また、ファンドの性格上、2000年のITバブル時や、リーマン・ショックから立ち直る2009年当時のように、市場が20−30%という勢いで急上昇する局面には市場の値動きについていけない傾向があるが、近年は景気が緩やかに回復するなか、各企業の業績拡大基調を評価する相場展開であったため、当ファンドにとっては市場をアウトパフォームしやすかったといえる。
――調査体制は?
当ファンドの運用には、4名のポートフォリオ・マネジャーと10名のアナリストという体制で企業調査している。調査対象銘柄は約400銘柄だ。ロンドンは、アジアとアメリカの両方にまたがる時間帯をカバーできるので、グローバル株式の運用拠点としては、地の利がある。
――これからも好調なパフォーマンスが維持できるか?
当ファンドは個別銘柄調査の積み重ねで市場をアウトパフォームする戦略だが、ファンドのパフォーマンスは金利上昇の影響を受ける可能性がある。ポートフォリオは市場平均を上回る配当利回り水準にしているため、金利が上昇する局面では各資産クラス間の相対的な魅力度が低下するためだ。ただ、マクロ環境の影響により、当ファンドが投資対象にしている優良銘柄が売られる局面は、長期的には割安な水準で銘柄を購入できるチャンスととらえることができる。金利の上昇で短期的に厳しい局面があったとしても、長期には市場をアウトパフォームできると考えている。
一方、米国のトランプ政権がインフラ投資や減税策などの主要政策を実行できるかという点は依然として不確かだ。米国株の上昇は期待感が先行しているという見方もできる。欧州は、主要国で大きな選挙を控え懸念材料が多いものの、欧州の景気はギリシャ危機などの当時と比較するとずっと良くなっている。当面はさまざまなノイズを受けた不安定な相場となり、一進一退の展開が続く可能性がある。そのような不透明な市場であれば、高ROE、安定配当の当ファンドが再注目されることも期待される。
ファンドは、1−2年といった短期の収益獲得をめざしていない。ROEが高い世界的な優良銘柄をじっくり持って、中・長期的な成長をしっかり取っていくという戦略だ。ROEが高い銘柄が、割安になった水準を待って買っていくという戦略は、短期で成果を求める投資家にはじれったいかもしれないが、長期では良好なパフォーマンスを生み出すと考えられる。ぜひ、長期に運用するコアになる資産として当ファンドをご検討いただきたい。
提供:モーニングスター社