「SBIスリランカ短期国債ファンド(毎月決算型)」が初分配45円を実施、分配金利回りは年5.7%に

 SBIアセットマネジメントが設定・運用する「SBIスリランカ短期国債ファンド(毎月決算型)」<2016122907>は、4月17日に第3期決算を迎え、1万口あたり45円(税前)の初回分配金を支払った。分配金利回りは5.7%に相当する。同ファンドは、スリランカ短期国債を中心に運用を行う日本で唯一の投資信託。同ファンドを実質的に運用しているSBIボンド・インベストメント・マネジメントの営業部長 梅村武司氏にファンドの魅力等について聞いた。

――スリランカという国は?

 スリランカは2030年にかけ最も人口が増加する地域のひとつに挙げられる「環インド洋経済圏」の中心に位置する。コロンボ港は、世界物中の大動脈であるインド洋航路の中で、アジアと中東、アフリカをつなぐ物流ハブとして存在感を高めている。同じ港湾立国のシンガポールを手本とした経済成長を目指している。インド半島の南端に位置する立地の良さに加え、そもそもインドの主要港は水深が10m以下と浅く、大型コンテナ船の停泊が難しいため、水深が18mと深いコロンボ港で貨物を積み替え、小型船でインドのムンバイ港などに運んでいる。

 人口約2100万人だが拡大傾向にある。義務教育(5−16歳)は無償で、15−24歳の識字率は98.77%(2015年ユネスコの統計)と国民の教育水準は高く、高い潜在成長率を持つ。1980年代からIT企業等がスリランカに拠点を構え、特に、金融・会計に関する業務の受け皿として強みを発揮。スリランカのIT企業がロンドン証券取引所のシステム構築・導入を実施するなど高い専門性が評価されている。

 主要な産業は縫製品の原料を輸入し加工して輸出する紡績。そして、セイロンティーで知られる紅茶などの農業だが、徐々に、コロンボ港の優位性を生かした卸・小売り、輸送・通信といったサービスセクターが成長している。2016年のGDP成長率は干ばつ等の影響で4.4%と2013年以来の低成長となったが、今後は5%程度の成長が続くと予想されている。消費者物価指数(CPI)の伸びは中央銀行が目標とする5%以内に概ね収まっており、穏やかな経済成長が続いている。

――短期国債の利回りが10%を超える理由は?

 S&Pの格付けが「B+」と高くはなく、おおむね格付けに則した短期債の利回りとなっている。2009年に終結した内戦で荒廃した国家を復興させるために拡張的な財政政策をとったことで恒常的な財政赤字に苦しんできた。公的債務残高はGDP比70%後半で高止まりしている。

 2016年4月にはIMF(国際通貨基金)との間で3年間・総額15億ドルの支援プログラムで合意し、構造的な財政赤字と貿易赤字の削減に取り組んでいる。2015年の財政赤字7.4%に対し、16年の財政赤字は5.6%となった。17年は4.6%と更に改善する見通し。2020年には3.5%を目標にしている。

 財政赤字の削減のため、国有企業の民営化を計画。また、海外からの直接投資の誘致、そして、観光業の振興による外貨の獲得をめざすなど、具体的な政策を実行に移しているところだ。

――新興国の債券は為替変動に弱いというデメリットがあるが?

 スリランカ政府は、経済危機等に対するぜい弱性について十分に理解しており、投資の妨げになるものではないと考えている。当社含むSBIグループは、この数カ月の間で2度も中央銀行の副総裁とミーティングを行い、財政赤字の削減や対外収支の改善に向けた取り組み状況について確認している。また、現在のスリランカは政治や治安情勢についても、JETROが「安定した政治・社会情勢が投資環境上の利点」として評価を得るまでに改善している。

――今後の見通しは?

 17年3月24日にスリランカ中央銀行が政策金利を7.0%から7.25%に引き上げた。これはインフレ抑制の予防的な面が強い。中銀のやや金融引き締め的なスタンスによって、国内景気が抑えられ、輸入の伸び率鈍化と貿易赤字の改善が期待されると好意的に受け止められている。

 ただ、リスクオフ局面では、スリランカルピー円の下落(円高)によって基準価額が下落することもあり得る。スリランカルピー円は、ドル円と相関性が高い。金利が10%程度と高いことが、為替下落のクッションとして働くものの、それを超えて通貨安になることもあるだろう。したがって、投資にあたっては、積立投資など時間分散をはかって慎重に投資する姿勢が重要だ。これから成長を遂げる新興国に投資できる貴重な機会として、長期に投資するスタンスでご検討いただきたい。
提供:モーニングスター社
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