いちよし証券ファンドラップ「ドリーム・コレクション」、資産保全を重視する保守的な運用ニーズの受け皿に

 いちよし証券が2015年7月にサービス開始したファンドラップ「ドリーム・コレクション」が顧客の支持を広げている。最低投資金額が300万円で提供する投資一任型の運用サービスだが、「実質金利マイナス」の時代にあって資産を保全しながら増やしたいと考える保守的な運用ニーズの受け皿になっているという。いちよし証券のラップ・投資分析部長 北砂博章氏に「ドリーム・コレクション」の特徴と今後の展望について聞いた。

――ファンドラップサービスの現状は?

 日本における投信販売の現場では、お客さまからの問い合わせに対して「売れ筋ファンドランキング」や「分配金ランキング」などを誇張するなど、結果として、お客さまのリスク許容度や運用ニーズに必ずしも合致しない商品を提案するということも過去少なからずあったのではないか。こうしたことは販売サイドとして大いに反省すべき点である。

 「ファンドラップ」は、お客さまの投資目的等に応じたポートフォリオ運用を実践している。サービス対価は、お客さまの運用資産残高に応じて頂戴するなど、資産を増やすという点で、お客さまと同じ方向を向いてサービス提供をしている。金融庁が推進する「貯蓄から資産形成へ」の後押しを受け、預貯金に眠る900兆円超の個人金融資産が対象になる極めて大きな潜在需要のあるマーケットと確信し、サービスの普及に取り組んでいる。

――いちよしファンドラップ「ドリーム・コレクション」の特徴は?

 インフレによる資産の目減り、あるいは、為替変動や資産価格の変動から中・長期的に資産の保全をめざすサービスとして提供している。お客さまの運用ニーズに合わせて「標準コース」と「金利・配当重視コース」という2つのコースを設けている。

 「標準コース」において投資対象となる34本の投資信託は、3年以上の運用実績のあるファンドの中から運用成績が上位に位置するファンドを厳選した。しかも、30本は当ファンドラップのために、信託報酬の水準が公募ファンドより低い専用私募ファンドを設定し、実質的な運用コストを低く抑えている。

 お客様に直接的にご負担いただくコスト(投資顧問報酬+口座管理料)は、固定報酬制と実績報酬併用制から選択していただくが、モデルごとに異なる水準に設定し、債券を中心に運用するモデルでは年率1%程度という低い水準に抑えている。

 「標準コース」は、リスクの異なる5つのモデルを用意した。「保守的」は先進国債券なみのリスクで、期待リターンはインフレ率程度の水準。最もリスク水準が高い「積極的」は、新興国債券並みのリスクを取り、インフレ率+4%程度の期待リターンを目指す。

 「金利・配当重視コース」は、標準コースの「保守的」なポートフォリオの資産配分をベースに、「限定為替ヘッジ型」「為替ヘッジなし型」「世界通貨分散型」の3つのコースが選べるようにしてある。保守的な運用では、為替変動リスクをできるだけ回避したいというニーズが想像以上に強いことに対応した。

 そして、最も重要となる資産配分の決定は、3カ月に1度の投資政策委員会で行っている。同委員会は、いちよし経済研究所、いちよしアセットマネジメント、いちよし証券とグループの運用に関する責任者がすべて出席している。グループを挙げてベストなアロケーションについて知恵を絞り、さまざまな意見を出し合い決定している。その効果は、設定来の好パフォーマンスに確実に表れている。

――サービスの強みは?

 地域密着のきめ細かなアドバイス活動が、お客さまの満足度の向上につながっている。アドバイザーはタブレット端末を1人1台携行し、お客さまの資産の状況をお客さまと常に共有しつつ、現状の評価と今後の運用方針について相談に応じている。

 各運用モデルのパフォーマンスは、チャイナ・ショックやBrexit等があっても、最大の下落で運用コスト控除後5%程度にとどまり下落に強い実績を評価していただいている。運用開始時期によっては10%を超えるリターンを確保しているケースもある。このような良好な運用成績も、実績を重ねることによってお客さまの満足度向上に役立つものと信じている。

――今後の展望は?

 投資対象とするファンドについては、常にモニタリングを怠らず、既存のラインアップより優れたファンドが出てくれば、適宜入れ替えも検討していく。

 今後ともお客さまとのFACE TO FACEをベースに、ポートフォリオ運用の提案および提供を地道に行い、「ファンドラップ」の魅力、「貯蓄から資産形成」の必要性を広く伝えていきたい。
提供:モーニングスター社
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