<★★★★★>三菱UFJ国際「ファインゴールド」、21カ月連続5★で安全資産としての金の需要に応える

 三菱UFJ国際投信が設定・運用する「三菱UFJ純金ファンド(愛称:ファインゴールド)」<2011020701>が17年3月末基準でモーニングスターレーティング最高格付けの★★★★★に格付けされ、15年7月以来21カ月連続で5つ★を継続している。3年(年率)トータルリターンは0.27%とカテゴリー(コモディティー)平均が大きなマイナスに落ち込むなかでプラスをキープしている。同ファンドの魅力について三菱UFJ国際投信の株式運用部チーフファンドマネジャー日笠洋一郎氏に聞いた。

 ――ファンドの特徴は?

 当ファンドは、「純金上場信託(現物国内保管型)(愛称:金の果実)」を99.93%組み入れている。「金の果実」は国内の取引所における金価格を反映するので、国内の金価格そのものの値動きをとらえることを目的としている。

 ――ファンドの残高がコンスタントに増えている。「金」の魅力とは?

 「安全資産」として、お客さまがポートフォリオを組む際の分散投資の一部に「金」を加えることで、ポートフォリオ全体のトータルリスクを低減する効果がある。テールリスクのような「めったに起きないが、起きると甚大な影響を及ぼすリスク」が現実のものとなった時に金の強みが生きてくる。米国同時テロ(2001年9月)、リーマン・ショック(08年9月)など、株式も債券も同時に値下がりする局面で、少しでも金を保有していたポートフォリオは、資産の目減りが小さかったことが実証されている。

 このように、金はポートフォリオを「守る」ための手段になる。足元で、欧州の政治リスク、北朝鮮やシリアの問題、米中関係への不安など、リスクの芽がいくつもあり、テールリスクに備えようという動きが出ているようだ。金の取引そのものが活発で、金への資金流入が続いている。

 現在、欧州のユーロ圏でユーロの安定が危惧されている。フランスとドイツの国債利回りの動きにも変化が見られ、ユーロ/ドルの予想変動率も大きくなってきた。ユーロ圏の政治的経済的安定性がさらに低下するリスクが高まれば、金への資金流入は長期化する可能性もある。

 「金は、メーンの投資資産を引き立たせるための名わき役だ」という言い方もある。金は、利息を生まないので、持っているだけでは配当等を得る楽しみがなく、メーンの投資資産として位置付けることはできないと考えられる。しかし、絶対的な価値が認められている資産なので、全体の資産の数%でも、常に金を持っておくことが大事だと思う。

 ――金と組み合わせて相性の良い資産クラスは?

 金と株式などの投資資産との相関係数は、検証する期間によって異なり、絶対的な基準はない。たとえば、2014年12月末から17年4月10日までの約2年半の実績でみると、NY金とNYダウ平均株価の相関係数は0.28。東京金とTOPIX(東証株価指数)は0.29となり、株価と金価格の動きに強い関連性はなかった。この間はNY金と米国10年債利回りは、マイナス0.66と強い逆相関の関係だった。

 また、直近90日で調べると、NY金とドル/円がマイナス0.96になっていて、極めて強い逆相関の関係が見て取れる。「金はドルの代替資産」と位置付けられる動きだ。この傾向がある時には、外貨建ての資産を持っている時に金を組み合わせるのが良いということができる。しかし、同じNY金とドル/円の組み合わせでも、12年3−7月の間では相関係数が0.66となっていた。このように正の相関関係が強く出る時もあるので注意が必要だ。

 ――資産運用における金の使い方は?

 長期・積立・分散という資産形成の基本的な考え方のなかで、分散する資産のひとつに金を加えるという考え方が重要だ。特にリーマン・ショックで株式や債券などリスク資産が全て崩れるということを経験した近年は、事前の予想が裏切られるような大きなイベントが起こっている。何が起きるか分からない時にこそ、金の価値は際立ってくる。

 金の使い方は、「テールリスクに対するワクチン」と考えたい。予想もつかないことが起こってしまった後で金に注目しても、その時にはすでに金の価格は値上がりしてしまっている。むしろ、経済環境が良好で、資産運用で収益が出ている時に、利益の一部を金に振り替えるという購入方法で、平時から金を常に持っておくことが理想だと思う。
提供:モーニングスター社
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