バランス型ファンド「GS トータル・リターン」運用者に聞く:世界の成長取り込み、進化する運用とは?
18年に入り国内外の株式が不安定な値動きとなる中で注目されるのが、資産価格の下落リスクを抑制しつつ、中長期での安定した資産形成を目指すバランス型ファンド「GS トータル・リターン」(以下、当ファンド)です(*)。当ファンドは18年5月19日付でファンド名を従来の「GS 年金型投資戦略ファンド」から現在の名称に変更。新しいファンド名には、長期的な資産形成に適したコア・ファンド(投資において中核となるファンド)の性格をより明確にするとともに、投資家の皆様における認知度を向上する意図が込められています。当ファンドの魅力や設定来のパフォーマンスなどについて、運用を担当するゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント(以下、GSAM)マルチ・アセット運用チームの中心メンバーの一人である小松高広氏に聞きました。
*当ファンドは「積極(年2回決算)」「安定(年2回決算)」「安定(毎月決算)」の3コースが用意されています。
――改めてファンドのコンセプトを教えてください。
小松氏:当ファンドは投資家の中・長期の資産形成を後押しするため、「グローバルの経済成長」を収益の源泉としています。中・長期の運用において最も確かな投資テーマは、今後も世界の人口が拡大し、それに伴い持続的に経済が成長するということです。当ファンドはその点に着目し、幅広い資産・戦略にあまねく分散投資をすることにより、グローバルの経済成長からしっかりリターンを取り込むように運用しています。
バランス型ファンドは08年のリーマン・ショックであらゆる資産が下落したことを受けて従来型の単純な分散投資では十分ではないと考えられるようになりました。当ファンドではその教訓を活かし、より分散効果を高めるための手法を進化させてきました。例えば、株安局面で株式の比率を引き下げる代わりに株式と逆の値動きをする傾向にある金を一時的に組み入れることにより、下落を抑えつつ反発に備えることが可能となっています。加えて、株式との連動性が低い運用戦略として、ヘッジファンドを恒常的に組み入れていることも、下落の抑制につながっています。
――組み入れファンドを見ると、ETF(上場投資信託)に加え、GSAMが自社で運用するアクティブファンドも多数含まれていますね。
小松氏:はい。アクティブファンドについては先進的な運用戦略を積極的に採用しており、現在は先進国株式、グローバル小型株式、新興国株式の運用において当社が独自に開発したビッグデータ・AI(人工知能)を用いた株式運用戦略を組み入れています。
また、「時間軸」の分散を図っている点も当ファンドの特徴で、中・長期の投資だけでなく、短期的な収益機会として極端に割安に放置された資産への投資も行います。例えば、16年の英国EU離脱を問う国民投票の際は、スペイン株式が必要以上に大きく売り込まれたことから、我々は割安とみて投資を行い、その後株価が戻す中で比較的短期間に高いリターンを上げることができました。
――資産配分と組入ファンドいずれも特徴がありますが、実際のパフォーマンスはいかがでしょうか?
小松氏:設定来では、株式が大きく下落した局面が3つありましたが、各期間の期初から株価が底を付けた期間までの下落率を見ると、15年7月末−9月末のチャイナ・ショックでは先進国株式が15%下落する中、「積極」は6%の下落、「安定」は3%の下落にとどめています。世界経済の先行き懸念が高まった15年11月末−16年2月末や英国EU離脱を問う国民投票があった16年5月末−6月末においても先進国株式に比べ下落を抑制しています。
また、運用体制については、当ファンドを運用するGSAMのマルチ・アセット運用チームは約140名で構成される専門家集団であり、平均で20年以上の投資経験を有し、17年12月末時点で1138億ドル(約12.8兆円)の資産を運用しています。主に機関投資家向けの運用を担当するチームですが、リーマン・ショック後に高度な分散投資に対するニーズが高まったことから、当ファンドのような個人投資家向けの運用も手掛けるようになりました。当ファンドの運用においても、機関投資家が求める高度な運用と同等の品質を実現しています。
「人生100年時代」と言われる中、中・長期の安定した資産形成を実現すべくGSAMが長年培ってきた運用ノウハウを活かして今後も運用を行ってまいりますので、ぜひ皆様の資産形成の選択肢として投資を検討していただきたいと思います。
提供:モーニングスター社
*当ファンドは「積極(年2回決算)」「安定(年2回決算)」「安定(毎月決算)」の3コースが用意されています。
――改めてファンドのコンセプトを教えてください。
小松氏:当ファンドは投資家の中・長期の資産形成を後押しするため、「グローバルの経済成長」を収益の源泉としています。中・長期の運用において最も確かな投資テーマは、今後も世界の人口が拡大し、それに伴い持続的に経済が成長するということです。当ファンドはその点に着目し、幅広い資産・戦略にあまねく分散投資をすることにより、グローバルの経済成長からしっかりリターンを取り込むように運用しています。
バランス型ファンドは08年のリーマン・ショックであらゆる資産が下落したことを受けて従来型の単純な分散投資では十分ではないと考えられるようになりました。当ファンドではその教訓を活かし、より分散効果を高めるための手法を進化させてきました。例えば、株安局面で株式の比率を引き下げる代わりに株式と逆の値動きをする傾向にある金を一時的に組み入れることにより、下落を抑えつつ反発に備えることが可能となっています。加えて、株式との連動性が低い運用戦略として、ヘッジファンドを恒常的に組み入れていることも、下落の抑制につながっています。
――組み入れファンドを見ると、ETF(上場投資信託)に加え、GSAMが自社で運用するアクティブファンドも多数含まれていますね。
小松氏:はい。アクティブファンドについては先進的な運用戦略を積極的に採用しており、現在は先進国株式、グローバル小型株式、新興国株式の運用において当社が独自に開発したビッグデータ・AI(人工知能)を用いた株式運用戦略を組み入れています。
また、「時間軸」の分散を図っている点も当ファンドの特徴で、中・長期の投資だけでなく、短期的な収益機会として極端に割安に放置された資産への投資も行います。例えば、16年の英国EU離脱を問う国民投票の際は、スペイン株式が必要以上に大きく売り込まれたことから、我々は割安とみて投資を行い、その後株価が戻す中で比較的短期間に高いリターンを上げることができました。
――資産配分と組入ファンドいずれも特徴がありますが、実際のパフォーマンスはいかがでしょうか?
小松氏:設定来では、株式が大きく下落した局面が3つありましたが、各期間の期初から株価が底を付けた期間までの下落率を見ると、15年7月末−9月末のチャイナ・ショックでは先進国株式が15%下落する中、「積極」は6%の下落、「安定」は3%の下落にとどめています。世界経済の先行き懸念が高まった15年11月末−16年2月末や英国EU離脱を問う国民投票があった16年5月末−6月末においても先進国株式に比べ下落を抑制しています。
また、運用体制については、当ファンドを運用するGSAMのマルチ・アセット運用チームは約140名で構成される専門家集団であり、平均で20年以上の投資経験を有し、17年12月末時点で1138億ドル(約12.8兆円)の資産を運用しています。主に機関投資家向けの運用を担当するチームですが、リーマン・ショック後に高度な分散投資に対するニーズが高まったことから、当ファンドのような個人投資家向けの運用も手掛けるようになりました。当ファンドの運用においても、機関投資家が求める高度な運用と同等の品質を実現しています。
「人生100年時代」と言われる中、中・長期の安定した資産形成を実現すべくGSAMが長年培ってきた運用ノウハウを活かして今後も運用を行ってまいりますので、ぜひ皆様の資産形成の選択肢として投資を検討していただきたいと思います。
提供:モーニングスター社