円高警戒も為替ヘッジコスト上昇に注意、米ドル・円金利差10年ぶり高水準
外国為替市場で円が対米ドルで上昇している。16日はクラリダFRB(米連邦準備制度理事会)副議長が米政策金利についてFRBが中立金利とみなす水準に近づいているとの見方を示し、米長期金利(10年債利回り)が15日の3.11%から3.06%へ低下したことで米ドル売り・円買いが進行。ニューヨーク時間に約2週間ぶりの円高水準となる1米ドル=112円台後半を記録した。
足元で米ドル・円の値動きに影響を与えているのは米金利動向だ。米ドル・円は米長期金利の上昇を材料として8日に約1カ月ぶりの円安水準となる1米ドル=114円台前半を付けたものの、その後は金利上昇が一服する中で再び米ドル売り・円買いが優勢となっている。
今年を振り返ると、米ドル・円は17年末に1米ドル=112円台後半だったが、18年の年初来で最も円安となったのは10月3日に記録した1米ドル=114円台半ば、逆に最も円高となったのは3月23日の1米ドル=104円台後半で、いまのところ円高により大きく振れた1年であったと言える。
国内投信市場においても円高への警戒感は根強いものの、為替ヘッジコストが上昇しており、為替ヘッジ付きファンドにおけるパフォーマンスの押し下げ要因となっている点には注意したい。為替ヘッジコストを米ドルと円の短期金利(3カ月LIBOR)差に基づき計算すると、16日時点で2.75%となっており、08年10月21日以来ほぼ10年ぶりの高水準となっている。
米国では年初来で長期金利が17年末の2.41%から11月16日の3.06%まで上昇したが、より顕著なのが短期金利の上昇だ。米ドルの3カ月LIBORは15年秋頃からほぼ一貫して上昇トレンドを継続し、18年秋頃から一段と上昇が加速。11月16日時点では2.64%と、17年12月末の1.69%から1%近く大きく上昇している。ちなみに円の3カ月LIBORは11月16日時点では−0.11%と、17年12月末の−0.02%から小幅に低下した程度に収まっている。
提供:モーニングスター社
足元で米ドル・円の値動きに影響を与えているのは米金利動向だ。米ドル・円は米長期金利の上昇を材料として8日に約1カ月ぶりの円安水準となる1米ドル=114円台前半を付けたものの、その後は金利上昇が一服する中で再び米ドル売り・円買いが優勢となっている。
今年を振り返ると、米ドル・円は17年末に1米ドル=112円台後半だったが、18年の年初来で最も円安となったのは10月3日に記録した1米ドル=114円台半ば、逆に最も円高となったのは3月23日の1米ドル=104円台後半で、いまのところ円高により大きく振れた1年であったと言える。
国内投信市場においても円高への警戒感は根強いものの、為替ヘッジコストが上昇しており、為替ヘッジ付きファンドにおけるパフォーマンスの押し下げ要因となっている点には注意したい。為替ヘッジコストを米ドルと円の短期金利(3カ月LIBOR)差に基づき計算すると、16日時点で2.75%となっており、08年10月21日以来ほぼ10年ぶりの高水準となっている。
米国では年初来で長期金利が17年末の2.41%から11月16日の3.06%まで上昇したが、より顕著なのが短期金利の上昇だ。米ドルの3カ月LIBORは15年秋頃からほぼ一貫して上昇トレンドを継続し、18年秋頃から一段と上昇が加速。11月16日時点では2.64%と、17年12月末の1.69%から1%近く大きく上昇している。ちなみに円の3カ月LIBORは11月16日時点では−0.11%と、17年12月末の−0.02%から小幅に低下した程度に収まっている。
提供:モーニングスター社