NY原油が急落、見ておきたい関連ファンドは!?

 原油価格が急落している。ニューヨーク市場のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物価格は、10月3日高値の1バレル=76.41ドルから11月13日安値の1バレル=55.69ドルまで27.1%下落し、同16日は1バレル=56.46ドルと安値圏にある。11月13日まで12営業日連続で下落したが、これは過去最長の続落であり、まさに記録的な下落である。

 原油価格の影響を受けやすいファンドの動向を注視する必要があろう。まずはロシア株式に投資するモーニングスターカテゴリー「国際株式・ロシア(為替ヘッジあり・なし)」に属するファンドが挙げられる。ロシアの主要株価指数であるRTS指数の10月3日以降の推移を見ると、一時8.2%下落し、11月16日時点は5.1%下落した水準にある。

 今回と同じく、WTIが約30日間(営業日)で約3割下落した例としては、2015年11月末から2016年1月中旬がある。同時期にはRTS指数が2割超下落し、「国際株式・ロシア(為替ヘッジなし)」の月次リターンは2015年12月に前月のプラスから一転して2ケタのマイナスとなり、モーニングスター全カテゴリー中でワーストとなった。

 足元までのRTS指数の調整幅は、2015年11月〜2016年1月に比べると小幅に留まっており、「国際株式・ロシア(為替ヘッジなし)」の2018年10月のパフォーマンスも悪化はしたが、世界株安を背景に株式型ファンド全体が悪化する中で、際立ったものではない。ただ、まだ楽観はできない。原油市場動向は、米国によるイラン制裁の行方、中国を始めとした世界経済の減速懸念、投機筋の動きなどが絡み合い、先行き不透明感が強い。急落要因を織り込んで反発する可能性もあれば、一段の売りに押されるリスクもある。

 他には、中東諸国の株式に投資するファンドや米国のエネルギー関連事業等に投資するMLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ)を主要投資対象とするファンドも影響が懸念される。また、エネルギー企業のウエイトが比較的大きい米国ハイイールド債市場に投資するファンドも影響を受ける可能性がある。モーニングスターカテゴリー「国際債券・ハイイールド債(為替ヘッジあり・なし)」内で米国への投資比率の高いファンドが対象となる。
提供:モーニングスター社
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