物流施設に特化し安定的な分配金と着実な規模拡大をめざす=CREロジスティクスファンド

 CREロジスティクスファンド投資法人を運用するCREリートアドバイザーズの代表取締役社長である伊藤毅氏は、12月に開催された「モーニングスターセミナー〜J−REIT市場の魅力〜」で講演し、同社の強みと今後の運用計画について語った。講演の要旨は以下のとおり

<50年以上の実績があるCREの総合力を運用に生かし物流施設に特化>

 基本理念として、『物流不動産分野において50年以上の事業経験を有するCREグループの総合力を活用し、テナントニーズに応える良質な物流関連施設に投資する。その投資からキャッシュフローを創出し、安定的な分配を行い、投資主価値の向上をめざす』を掲げて運用に携わっている。今年2月7日に東証に新規上場した。

 スポンサー企業であるCREとの協業を重要視している。CREは東証に上場している日本の不動産会社で、50年以上の歴史の中で特に物流施設に強みがある。2018年7月末現在、日本全国に1450物件、500万平方メートルの管理を受託している。物流不動産のテナントとして1000社以上のテナントと契約している。これら管理ノウハウやテナントネットワークを活用し、過去に28物件、54万平方メートルの開発実績がある。

 CREロジスティクスファンド投資法人(CREロジ)は、スポンサーサポート契約に基づいてCREが開発した優良物件を取得し、物件の保有・運用を担っている。警備、清掃、テナントとのコミュニケーションなど物件の管理・運営は管理会社としてのCREにアウトソースしている。この事業面でのサイクルを重視している。

 また、資金面でのサイクルも重要だ。CREは開発物件をCREロジに売却することにより資金を回収し、その資金を使って次なる良質な開発に資金を充当していく。このことは、CREロジが継続的にCREから良質な物件を取得し続けることにつながる。

 CREの管理実績は、物流施設の管理・受託面積で第3位の実績。直接契約関係を有するテナント総数は1070社で日本最大のネットワーク。テナントのうち、約3割が物流会社だが、その他に製造業、卸売業、小売業といった荷主と直接賃貸借契約を結んでいることも特徴である。

 CREが開発した物件のブランド「ロジスクエア」の特徴は、立地、基本仕様、拡張性、快適性などを重視し、テナントニーズを満たしている点である。

<CREが開発した「ロジスクエア」に重点投資し安定運用>

 CREロジは、「ロジスクエア」に重点を置いたポートフォリオを構築し、長期安定的な運用をめざしている。「ロジスクエア」の平均賃貸借残存期間は7.6年、平均稼働率100%と、いずれも長期安定的な分配金の裏付けとなっている。

 現在保有する7施設は、全てCREが開発した「ロジスクエア」。鑑定NOI利回りは5.0%。平均築年数は1.5年とJ−REITで最も築浅になっている。投資エリアは94%が首都圏だ。

 現在の投資資産は7つの施設、21万平方メートルと、他の物流リートが保有する施設と比較して中型の物件で構成されている。市場調査によると、首都圏における1拠点当たりの利用面積は80%以上が1万6千5百平方メートル未満であり、また、75%のテナントがシングルユースを希望し、そのうち24%はシングルユースでなければならず、過半のテナントが自社を含めて3テナントまでなら同居を許容している。1万6500平方メートル×3テナントの5万平方メートルを基準として空室率を分析したところ、5万平方メートル未満の物件の空室率は、5万平方メートル超の大型施設の空室率に比べて低くなっている。この調査結果を踏まえ、CREロジとしては中規模施設へのテナント需要がより強いと分析し、重点的に投資している。

<当面は資産規模1000億円を目指し、段階的に物件を取得する計画>

 現在の資産規模である477億円を、2−3年程度で1000億円程度に拡大する計画だ。引き続き中規模サイズのロジスクエアに重点投資し、1000億円の規模に到達した後、大型のロジスクエアや第3者からの物件を取得し、分散の効いたポートフォリオを構築したい。

 CREは9物件を開発中で、外部の物件も含めて10物件32万平方メートルの物件を将来の成長の糧として確保している。

 第4期(2018年6月期)に1口当たり2585円を分配し、予想比45円プラスだった。第5期(18年12月期)、第6期(19年6月期)は、それぞれ3297円、2940円を予定している。CREの管理・運営、開発力を生かし、意味のある増資、増配を実施していきたい。
提供:モーニングスター社
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