渋谷を中心に成長エリアに重点投資し安定的に成長する=東急リアル・エステート
東急リアル・エステート投資法人を運用する東急リアル・エステート・インベストメント・マネジメントの代表取締役執行役員社長である柏崎和義氏は、12月に開催された「モーニングスターセミナー〜J−REIT市場の魅力〜」で講演し、同社の強みと今後の運用計画について語った。講演の要旨は以下のとおり
<東急リートは、成長力ある都心5区と東急沿線に重点投資>
東急リートは、東京急行電鉄(東急電鉄)をスポンサーとし、成長力のある地域における競争力のある物件への投資を基本方針にしている。成長力のある首都圏でも、特に、オフィス需要が集積する都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)と、人口が増加傾向にある東急沿線地域を重点投資エリアと位置付け、ポートフォリオ全体の85%をこのエリアに投資する方針だ。2018年7月期では、重点エリアに対する投資比率は93%になっている。
駅に近い立地の良い物件で、キャッシュフローが安定している物件に投資し、投資対象施設は、オフィス、商業施設、および、これらを含む複合施設だ。物件保有期間中の賃料収入等のインカムゲインに加え将来の物件売却によるキャピタルゲインの獲得を含めたトータルリターンの最大化を目指している。
東急リートの保有物件は、東京都心5区、中でも、渋谷区に集中している。保有する30物件のうち、スポンサーから取得したのは13物件になる。
スポンサーである東急電鉄が開発している主な賃貸物件は、渋谷を起点に、東京西南部から神奈川県に向かって広がる。東急電鉄は、この渋谷や東急沿線の他、都心5区も含め、不動産デベロッパーとして多数の開発物件がある。
東急グループは渋谷駅周辺再開発の他、駅から2.5km範囲の「Greater SHIBUYA」(広域渋谷圏)の開発を進めている。最近の渋谷エリアは、商業の集積地に加え、ITやクリエイティブといわれる業種のオフィスが集中。東急リートは渋谷駅から半径1.5キロのエリアに12物件を保有し、ポートフォリオ全体の47%を占めている。
渋谷駅周辺再開発のプロジェクトは、2020年の東京オリンピックに向けて、開発物件が順次開業していく予定だ。これらは、オフィス、商業施設、ホテル、賃貸住宅など様々な用途が組み合わされて開発が計画されている。今後、渋谷駅周辺への集積、都市機能の高度化が進み、渋谷の街の魅力と付加価値はさらに増していくと期待されている。
<東急リートの運用の強み「循環再投資モデル」と「サーフプラン」>
東急電鉄から東急リートが物件を購入し、東急電鉄がその資金を再投資することによって投資対象エリアの価値が向上する「循環再投資モデル」を基本にしている。これは、東急リート特有のビジネスモデルだ。
まず、東急電鉄が開発した不動産の一部を東急リートが取得し、東急リートの運営・管理によって物件価値の向上を図る。その後、経年により建物の築年数が進み周辺環境に変化が生じると、再度、東急電鉄に物件を売却。東急電鉄が再開発を実施して開発エリアのさらなる価値向上が図られる。不動産のライフステージに合わせたスポンサーとの適切な役割分担で、今後も東急リートの投資対象エリアの価値向上を図っていく。
長期投資運用戦略「サーフプラン」を採用し、バリュー型・逆張り投資を行っている。不動産市況の1サイクルを「取得期」「売却・入替期」「保全期」に分け、市況の底値圏で物件を取得し、好況期には築年数が長くなった物件を中心に売却・入替をする戦略だ。これにより、ポートフォリオの若返りとクオリティの向上を図りながら、売却時のキャピタルゲインの獲得も目指していく。
2020年までの中期的な戦略は、東京都心所在物件は積極的に物件の入れ替えを推進し、渋谷エリアや東急沿線所在物件は、循環再投資モデルに基づいてスポンサーとの物件交換を推進する方針だ。
<東急リートの安定的な分配金と積み上がる含み益>
2018年7月期は、1口当たり分配金は前期比89円増額し、2739円にした。1口当たり分配金は、2019年1月期は281円増配の3020円、7月期は2800円の予想だ。
資産規模は2018年7月末で取得価格は2235億円、評価額は2637億円になっている。不動産価格の高騰が続き、新規取得が難しい状況だが、今後も渋谷エリアや東急沿線で厳選して中期的には3000億円以上の資産規模を目指していく。東急リートは上場以来、含み益を維持している。リーマンショックの金融危機の時期にもポートフォリオ全体で含み損にならなかったのも特徴だ。
提供:モーニングスター社
<東急リートは、成長力ある都心5区と東急沿線に重点投資>
東急リートは、東京急行電鉄(東急電鉄)をスポンサーとし、成長力のある地域における競争力のある物件への投資を基本方針にしている。成長力のある首都圏でも、特に、オフィス需要が集積する都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)と、人口が増加傾向にある東急沿線地域を重点投資エリアと位置付け、ポートフォリオ全体の85%をこのエリアに投資する方針だ。2018年7月期では、重点エリアに対する投資比率は93%になっている。
駅に近い立地の良い物件で、キャッシュフローが安定している物件に投資し、投資対象施設は、オフィス、商業施設、および、これらを含む複合施設だ。物件保有期間中の賃料収入等のインカムゲインに加え将来の物件売却によるキャピタルゲインの獲得を含めたトータルリターンの最大化を目指している。
東急リートの保有物件は、東京都心5区、中でも、渋谷区に集中している。保有する30物件のうち、スポンサーから取得したのは13物件になる。
スポンサーである東急電鉄が開発している主な賃貸物件は、渋谷を起点に、東京西南部から神奈川県に向かって広がる。東急電鉄は、この渋谷や東急沿線の他、都心5区も含め、不動産デベロッパーとして多数の開発物件がある。
東急グループは渋谷駅周辺再開発の他、駅から2.5km範囲の「Greater SHIBUYA」(広域渋谷圏)の開発を進めている。最近の渋谷エリアは、商業の集積地に加え、ITやクリエイティブといわれる業種のオフィスが集中。東急リートは渋谷駅から半径1.5キロのエリアに12物件を保有し、ポートフォリオ全体の47%を占めている。
渋谷駅周辺再開発のプロジェクトは、2020年の東京オリンピックに向けて、開発物件が順次開業していく予定だ。これらは、オフィス、商業施設、ホテル、賃貸住宅など様々な用途が組み合わされて開発が計画されている。今後、渋谷駅周辺への集積、都市機能の高度化が進み、渋谷の街の魅力と付加価値はさらに増していくと期待されている。
<東急リートの運用の強み「循環再投資モデル」と「サーフプラン」>
東急電鉄から東急リートが物件を購入し、東急電鉄がその資金を再投資することによって投資対象エリアの価値が向上する「循環再投資モデル」を基本にしている。これは、東急リート特有のビジネスモデルだ。
まず、東急電鉄が開発した不動産の一部を東急リートが取得し、東急リートの運営・管理によって物件価値の向上を図る。その後、経年により建物の築年数が進み周辺環境に変化が生じると、再度、東急電鉄に物件を売却。東急電鉄が再開発を実施して開発エリアのさらなる価値向上が図られる。不動産のライフステージに合わせたスポンサーとの適切な役割分担で、今後も東急リートの投資対象エリアの価値向上を図っていく。
長期投資運用戦略「サーフプラン」を採用し、バリュー型・逆張り投資を行っている。不動産市況の1サイクルを「取得期」「売却・入替期」「保全期」に分け、市況の底値圏で物件を取得し、好況期には築年数が長くなった物件を中心に売却・入替をする戦略だ。これにより、ポートフォリオの若返りとクオリティの向上を図りながら、売却時のキャピタルゲインの獲得も目指していく。
2020年までの中期的な戦略は、東京都心所在物件は積極的に物件の入れ替えを推進し、渋谷エリアや東急沿線所在物件は、循環再投資モデルに基づいてスポンサーとの物件交換を推進する方針だ。
<東急リートの安定的な分配金と積み上がる含み益>
2018年7月期は、1口当たり分配金は前期比89円増額し、2739円にした。1口当たり分配金は、2019年1月期は281円増配の3020円、7月期は2800円の予想だ。
資産規模は2018年7月末で取得価格は2235億円、評価額は2637億円になっている。不動産価格の高騰が続き、新規取得が難しい状況だが、今後も渋谷エリアや東急沿線で厳選して中期的には3000億円以上の資産規模を目指していく。東急リートは上場以来、含み益を維持している。リーマンショックの金融危機の時期にもポートフォリオ全体で含み損にならなかったのも特徴だ。
提供:モーニングスター社