三井住友アセットマネジメント、投信のオンラインチャネル・デジタル戦略サポートで存在感

 三井住友アセットマネジメント(SMAM)が提供する投信販社向けデジタル戦略サポートが注目を集めている。主に対面販社が有するオンラインチャネルを対象としている。同社は4月に大和住銀投信投資顧問と合併し、「三井住友DSアセットマネジメント」として新発足するが、同部は名称もそのままで存続する。4月以降も引き続きオンラインマーケティング部長を務める宗正彰氏に、今後の展開について聞いた。

 ――オンラインマーケティング部は、オンラインの特性を最大限に活用して投信販社と共にブランディングやマーケティングを推進するという業界でも珍しい存在だが、そもそも当プロジェクトがスタートした経緯は?

 当社は2015年4月に大手運用会社で初めて本格的な投信直販事業に進出するなど、投信販売のオンライン化では業界に先んじて取り組んできている。投信直販事業を立ち上げた当時の当部の担当販社は、オンライン専業証券/ネット専業銀行だったが、ネットとリアル店舗の両チャネルを有するオムニチャネル系販社や通信、小売、Fintech系など他業態からの投信参入による新規販社などが年々増えてきた。販売勢力の拡大が続くIFA法人各社もオンラインの活用による情報発信やブランディングに積極的だ。

 加えて、ここ数年は、オンライン専業販社での投信取扱高の急増をみて、対面で投信を販売する証券や銀行も、オンラインチャネルを次々に刷新・強化する動きを始めた。対面の販売会社を担当する他部署のリレーションマネージャーから、オンラインチャネルを強化するためのサポートを依頼される案件も増えつつあった。

 デジタル戦略を重要に位置付ける弊社社長の松下隆史の指示により、対面販社を担当する投信マーケティング各部を横断する非対面チャネル強化推進プロジェクト「SMAMオンライン・プロデュース」が2017年秋にスタート。プロジェクトリーダーにオンラインマーケティング部長の私(宗正彰氏)が就いた。

 ――オンラインマーケティングについて、運用会社がサポートを行う意義は?

 販社の方々からいただくご相談は、「インターネット投信の販売額を伸ばしたい」「HPの訪問者数を増やしたい」「SNSを活用して情報発信を強化したい」「広告の種類と選び方がわからない」「HPやメール向けコンテンツが足りない」「アクセス解析を投信販売に活かしたい」「若年層や資産形成層にアプローチしたい」「新聞・雑誌・ラジオ・テレビを利用したい」といった、この八項目にほぼ集約される。

 たとえば、「HPの訪問者数を増やし、投信の販売額を伸ばしたい」という悩みに対し、最も重要なことは、販売会社の機動的な発信情報に合致したウェブデザインとオンラインスキームの構築、投資家とのリレーション維持だ。中でも、発信情報不足がその後の大きな問題となることが多い。弊社では、オンライン上の親和性を重視した「マーケットレポート」や「資産形成コンテンツ」等の用意もあり、訴求力を重視した動画の制作や配信も提供可能だ。

 投信のマーケティングには、取扱い商品数の多さと異なるお客さまニーズ、分かりやすくお伝えすることの重要性など、投信固有の課題がある。これを一気通貫で解決するには運用会社によるコンサルティングが不可欠だ。

 当部は、オンライン専業販社との日常的なコミュニケーションを通じて培ってきたオンラインスキームの活用によるブランディングやマーケティングサポートのノウハウがあり、個々の販社の悩みにきめ細かく対応できることが強みだと思っている。投信直販事業を立ち上げて培った販売会社目線でのアドバイスも可能だ。一つとして同じ解決方法はない。個々の事情に合わせて、実現可能性の高い対応策を提案している。

 ――今後の展望は?

 これから投信を始める資産形成層が、まずアクセスするのは、オンライン口座が一般的になると考えられる。対面をメインに投信を取り扱ってこられた販売会社でも、投信のオンラインサービスは「プラスα」のサービスではなく、今後は不可欠のサービスに位置づけられるようになるだろう。

 オンラインスキームは日進月歩で進化している。加えて、投信販売のオンラインチャネルは、異業種からの参入も加わり、ますます多様化かつ複雑化してきている。闇雲に最先端のデジタル戦略を駆使するだけでは、逆に投資家の皆さまとの距離が遠くなる。今、本当に必要な情報は何か、投資信託を身近な金融商品としてご案内するにはどのようなスキームが最適なのかということを念頭に置いて、投信販社の方々と一緒に新しい時代を拓いていきたいと考えている。
提供:モーニングスター社
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