高パフォーマンスを支える3つのキーワードは?=SGAグローバル・グロース株式運用戦略
イーストスプリング・インベストメンツは今年3月から国内機関投資家向けに、戦略的パートナーシップを結ぶ米独立系資産運用会社「サステイナブル・グロース・アドバイザーズ」(以下、SGA社)に運用委託する「SGAグローバル・グロース株式運用戦略」を提供している。当戦略は2019年6月末時点の設定(2011年2月)来のリターン(米ドルベース、費用等控除前)が13.6%(年率)と「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」(MSCI ACWI)を5.9%(年率)上回る高パフォーマンスを上げている。SGA社運用チームのアナリストであるアレクサンドラ・リー氏に、当戦略のコンセプトと強みを聞いた。
―SGAグローバル・グロース株式運用戦略のコンセプトは?
「成長性」「クオリティ」「バリュエーション」が当戦略の投資ポイントだ。投資対象とするグローバル企業については、成長性があるだけでなく、長期にわたって持続可能でかつ予測可能かという点にこだわっている。加えてバリュエーションに対する規律も持っており、成長性があり持続可能であっても、正当化できない価格の銘柄には手を出さない。短期的な市場の非効率性と変動幅(ボラティリティ)の上昇を投資機会と捉えて、3−5年の長期投資スタンスでのぞむ。また、ポートフォリオはベンチマークを意識しないため、リスク管理目的で銘柄を保有することはない。常に25−35銘柄の確信度の高い厳選銘柄だけを組み入れている。
―具体的なポートフォリオの構築方法は?
グローバル企業を対象とするため、対象企業は数千銘柄としている。ここから、企業の成長力とその持続可能性を判断するための5つの基準(=SGA基準)を用いて約200銘柄に絞り込む。その200銘柄から競合先も含めた経営者への取材など綿密な企業調査を通じて確信度の高い約100銘柄を選び「銘柄選定リスト」を作成する。そのリストからバリュエーションを考慮して、最終的に25−35銘柄でポートフォリオを構築する。
SGA基準の1番目は「価格決定力」である。例えば、米スポーツ用品大手の「ナイキ」は、ブランド力があり他ブランドより高価格で販売できるため、安定的な利益を確保できる価格設定が可能で競争優位性がある。2番目は「収益の持続性」。安定した収益により、一過性でなく継続的な成長が見込まれるビジネスモデルがないとポートフォリオには入らない。デンマークのヘルスケア関連企業「ノボノルディスク」は糖尿病の治療薬インスリンで高い世界シェアがあり、今後、新興国でも糖尿病患者が増えると予想される中、安定的な収益が継続して見込まれる。
3番目は「グローバル展開」だ。新市場を開拓することで成長の持続性が長期化するためだ。アルゼンチンの「メルカドリブレ」は、ラテンアメリカ全体でeコマース(電子商取引)を展開し、米アマゾンよりも優勢である。ラテンアメリカではeコマースの浸透率が先進国よりも低く、今後拡大すると見込まれており、同社は持続的な成長が期待できる。4番目は「強固な財務基盤」。当戦略は長期で銘柄を保有するスタンスであるので、キャッシュ・フロー創出力やバランスシートの健全性をチェックしている。
最後が「優れた経営」である。当戦略にはESG(環境、社会、ガバナンス)のチェックリストがあり、経営者に取材する際にはそのリストに基づいて、経営者の質、ESGの質をチェックする。
―当戦略の強みは?特にどのような場面で発揮されるのか?
米ドル建てのパフォーマンスを見ると、2015年に世界株式を対象とする「MSCI ACWI」が−2.4%となる一方で当戦略は9.8%(費用等控除前)となり、2018年はMSCI ACWIが−9.4%となる中で当戦略は−0.9%(費用等控除前)に留まった。当戦略は、世界が低成長の際に特に強みを発揮する。2015年や2018年など世界の市場環境が厳しい時には、「成長性」「クオリティ」「バリュエーション」の3つのポイントから構築したポートフォリオの強みが際立つと考える。
―SGA社の特徴は?
当戦略と「米国大型グロース株式運用戦略」の2つの戦略を手掛けている。2003年の設立以来、一貫して少数精鋭の陣容(2019年3月末時点で社員25名)で同じ戦略を運用している点が一つの強みである。なお、当戦略の運用チームは全員が当戦略に自己資金を投資している。長期にわたって資産を形成したい方には当戦略は非常に有効であると考えている。
◎過去のパフォーマンスは、将来の運用成果を保証するものではありません。上記個別企業の株式について組み入れの保証および売買の推奨をするものではありません。
提供:モーニングスター社
―SGAグローバル・グロース株式運用戦略のコンセプトは?
「成長性」「クオリティ」「バリュエーション」が当戦略の投資ポイントだ。投資対象とするグローバル企業については、成長性があるだけでなく、長期にわたって持続可能でかつ予測可能かという点にこだわっている。加えてバリュエーションに対する規律も持っており、成長性があり持続可能であっても、正当化できない価格の銘柄には手を出さない。短期的な市場の非効率性と変動幅(ボラティリティ)の上昇を投資機会と捉えて、3−5年の長期投資スタンスでのぞむ。また、ポートフォリオはベンチマークを意識しないため、リスク管理目的で銘柄を保有することはない。常に25−35銘柄の確信度の高い厳選銘柄だけを組み入れている。
―具体的なポートフォリオの構築方法は?
グローバル企業を対象とするため、対象企業は数千銘柄としている。ここから、企業の成長力とその持続可能性を判断するための5つの基準(=SGA基準)を用いて約200銘柄に絞り込む。その200銘柄から競合先も含めた経営者への取材など綿密な企業調査を通じて確信度の高い約100銘柄を選び「銘柄選定リスト」を作成する。そのリストからバリュエーションを考慮して、最終的に25−35銘柄でポートフォリオを構築する。
SGA基準の1番目は「価格決定力」である。例えば、米スポーツ用品大手の「ナイキ」は、ブランド力があり他ブランドより高価格で販売できるため、安定的な利益を確保できる価格設定が可能で競争優位性がある。2番目は「収益の持続性」。安定した収益により、一過性でなく継続的な成長が見込まれるビジネスモデルがないとポートフォリオには入らない。デンマークのヘルスケア関連企業「ノボノルディスク」は糖尿病の治療薬インスリンで高い世界シェアがあり、今後、新興国でも糖尿病患者が増えると予想される中、安定的な収益が継続して見込まれる。
3番目は「グローバル展開」だ。新市場を開拓することで成長の持続性が長期化するためだ。アルゼンチンの「メルカドリブレ」は、ラテンアメリカ全体でeコマース(電子商取引)を展開し、米アマゾンよりも優勢である。ラテンアメリカではeコマースの浸透率が先進国よりも低く、今後拡大すると見込まれており、同社は持続的な成長が期待できる。4番目は「強固な財務基盤」。当戦略は長期で銘柄を保有するスタンスであるので、キャッシュ・フロー創出力やバランスシートの健全性をチェックしている。
最後が「優れた経営」である。当戦略にはESG(環境、社会、ガバナンス)のチェックリストがあり、経営者に取材する際にはそのリストに基づいて、経営者の質、ESGの質をチェックする。
―当戦略の強みは?特にどのような場面で発揮されるのか?
米ドル建てのパフォーマンスを見ると、2015年に世界株式を対象とする「MSCI ACWI」が−2.4%となる一方で当戦略は9.8%(費用等控除前)となり、2018年はMSCI ACWIが−9.4%となる中で当戦略は−0.9%(費用等控除前)に留まった。当戦略は、世界が低成長の際に特に強みを発揮する。2015年や2018年など世界の市場環境が厳しい時には、「成長性」「クオリティ」「バリュエーション」の3つのポイントから構築したポートフォリオの強みが際立つと考える。
―SGA社の特徴は?
当戦略と「米国大型グロース株式運用戦略」の2つの戦略を手掛けている。2003年の設立以来、一貫して少数精鋭の陣容(2019年3月末時点で社員25名)で同じ戦略を運用している点が一つの強みである。なお、当戦略の運用チームは全員が当戦略に自己資金を投資している。長期にわたって資産を形成したい方には当戦略は非常に有効であると考えている。
◎過去のパフォーマンスは、将来の運用成果を保証するものではありません。上記個別企業の株式について組み入れの保証および売買の推奨をするものではありません。
提供:モーニングスター社