コロナショック下で「有事の金」、年初来リターン上位10ファンドのうち6ファンドが金関連ファンド

 国内公募追加型株式投信(確定拠出年金専用、ファンドラップ専用、ETF除く、ブル・ベア型除く)を対象に、4月22日までの年初来のリターンを見たところ、「金関連ファンド」の存在感が際立っている。第6位の「ブラックロック・ゴールド・メタル・オープンAコース」や第7位の「ゴールド・ファンド(為替ヘッジあり)」など、上位10ファンド中6ファンドを金関連ファンドが占めた。また、上位15位までで見ると10ファンドが金関連ファンドとなった。

 背景にあるのは金価格の上昇だ。ニューヨーク金先物価格は年初から概ね堅調に推移し、14日には1トロイオンス=1768.90ドルと約7年半ぶりの高値を付けた。19年12月30日を100として指数化すると4月22日時点は114.5となり、NYダウの82.5、日経平均の80.9を大きく上回っている。新型コロナウイルスの感染拡大で株式や原油が急落する中で、安全資産としてリスク回避の資金が金に流入している。新型コロナウイルスについては欧米でピークを越えたとの見方もあるが、楽観できる状況ではない。金融市場は依然として乱高下するリスクがあり、足元で強さを発揮する「有事の金」に対する関心が一段と高まる場面がありそうだ。

 なお、年初来リターントップは「テトラ・エクイティ」で57.38%。「楽天 ボラティリティ・ファンド」の毎月成長型が37.67%で第2位、資産成長型が35.53%で第3位となった。

 「テトラ・エクイティ」は、S&P500先物を機動的に活用。米国株式市場において、日中に発生するトレンドを始め、月初トレンド、月中トレンド、月末トレンドという4つのトレンドに着目し、トレンドを捉える4つの戦略を組み合わせることで、米国株式市場の上昇・下落両局面において収益の獲得を目指す。3月の急落局面におけるS&P500先物の売り建てなどが寄与した。

 「楽天 ボラティリティ・ファンド」は、VIX先物を活用したボラティリティ関連指数に連動する資産に実質的に投資する。VIX指数とは、S&P500のオプション取引の値動きを基にした指数。一般的に、数値が高いほど投資家が先行きに対して不安を感じているとされ、恐怖指数とも呼ばれる。3月の株式市場急落を前に、VIX先物の買い持ちポジションを構築したことが、高いリターンに寄与した。
提供:モーニングスター社
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