高島屋で投信販売スタート−「セゾン」「おおぶね」など、厳選8本の通信簿
17日から始まった高島屋での「投信販売」。日本橋高島屋S.C.本館8階に相談員が資産形成のアドバイスを行う専用カウンターを開設した。SBI証券との業務提携により2600本以上の投信を取り揃える。中でも、長期の資産形成に役立つファンド8本を厳選して「タカシマヤセレクション投資信託」として紹介している。モーニングスターの指標なども活用しながら対象ファンドを評価した。
まず投資対象資産を見ると、債券がなく、株式とバランス型のみとなっている。長期の資産形成の「エンジン」となる株式を重視しつつ、「セゾン バンガード・グローバルバランスF」など分散投資が可能なバランス型も取り入れて初心者も意識したラインナップと言えよう。決算頻度を見ても年2回が1本あるのを除き、全て年1回と複利効果を生かしやすいファンドが占める。ちなみに金融庁が認める「つみたてNISA」の対象ファンドは5本あり、積立投資に適したファンドが中心だ。
長期投資という点ではコストも見逃せない。分類内で信託報酬の水準を5段階で示したモーニングスター・フィーレベル(5月末時点)は8本のうち5本が最も低コストの「安い」。残り3本も「平均より安い」か「平均的」となり、総じてコストを抑えた商品が並ぶ。パッシブファンドでは信託報酬等(税込)が0.1%を切る「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」があるほか、アクティブファンドでも1%を下回る「農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね」や「三井住友・配当フォーカスオープン」を選定するなど、アクティブでもコストは重要との考えがあるとみられる。
パフォーマンスも良好だ。カテゴリー内でのリスク調整後のリターンに基づき5段階でランク付けしたモーニングスターレーティングは、レーティングが付与された5本全てが4ツ星以上となっている。ちなみにレーティング未付与の3本は運用開始から3年未満であることを意味しており、今のところ実績がやや短い点は留意する必要があるだろう。
運用規模を示す純資産残高は5月末時点で全て30億円以上と、一定の残高があり、安定した運用が期待される水準だ。一方、ラインナップのうち、国内投信全体の5月の純資金流入額でトップ10に入ったファンドは一本もない。つまり、いわゆる「売れ筋」とは一線を画する顔ぶれと言える。
テーマ型など一時的なブームで販売を伸ばせるようなファンドがないところを見ても、販売手数料を重視した商品選びではないことがうかがえる。折しも新型コロナウイルスの影響で「対面」に逆風が吹く中での船出となったが、特に投資初心者には、会って話すことによるきめ細やかなサービスのニーズもあると思われる。高島屋が新たな柱として位置付ける金融事業の行方に注目が集まりそうだ。
提供:モーニングスター社
まず投資対象資産を見ると、債券がなく、株式とバランス型のみとなっている。長期の資産形成の「エンジン」となる株式を重視しつつ、「セゾン バンガード・グローバルバランスF」など分散投資が可能なバランス型も取り入れて初心者も意識したラインナップと言えよう。決算頻度を見ても年2回が1本あるのを除き、全て年1回と複利効果を生かしやすいファンドが占める。ちなみに金融庁が認める「つみたてNISA」の対象ファンドは5本あり、積立投資に適したファンドが中心だ。
長期投資という点ではコストも見逃せない。分類内で信託報酬の水準を5段階で示したモーニングスター・フィーレベル(5月末時点)は8本のうち5本が最も低コストの「安い」。残り3本も「平均より安い」か「平均的」となり、総じてコストを抑えた商品が並ぶ。パッシブファンドでは信託報酬等(税込)が0.1%を切る「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」があるほか、アクティブファンドでも1%を下回る「農中<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね」や「三井住友・配当フォーカスオープン」を選定するなど、アクティブでもコストは重要との考えがあるとみられる。
パフォーマンスも良好だ。カテゴリー内でのリスク調整後のリターンに基づき5段階でランク付けしたモーニングスターレーティングは、レーティングが付与された5本全てが4ツ星以上となっている。ちなみにレーティング未付与の3本は運用開始から3年未満であることを意味しており、今のところ実績がやや短い点は留意する必要があるだろう。
運用規模を示す純資産残高は5月末時点で全て30億円以上と、一定の残高があり、安定した運用が期待される水準だ。一方、ラインナップのうち、国内投信全体の5月の純資金流入額でトップ10に入ったファンドは一本もない。つまり、いわゆる「売れ筋」とは一線を画する顔ぶれと言える。
テーマ型など一時的なブームで販売を伸ばせるようなファンドがないところを見ても、販売手数料を重視した商品選びではないことがうかがえる。折しも新型コロナウイルスの影響で「対面」に逆風が吹く中での船出となったが、特に投資初心者には、会って話すことによるきめ細やかなサービスのニーズもあると思われる。高島屋が新たな柱として位置付ける金融事業の行方に注目が集まりそうだ。
提供:モーニングスター社