東証システムトラブルで終日売買停止、設定・解約を受け付けないファンドのリストを開示した運用会社も

 10月1日、東京証券取引所がシステムトラブルによって終日、上場株式の売買を停止した関係で、投信市場も一日中混乱した。投資信託協会は、特別対策委員会を開催し、「11時45分の時点で東京証券取引所等の現物株式取引等の再開の見込みが立っていない場合には、東京証券取引所等の売買銘柄を主たる投資対象とする投資信託について、本日分の設定・解約の申込の受け付けを中止する」旨を決定し、公式ホームページを通じて即刻情報の開示を行った。運用会社各社も協会の決定を受け、それぞれの公式ホームページを通じて、国内株式を主たる投資対象とするファンドについて10月1日の設定・解約の申し込みを受け付けない旨を告知し、運用会社によっては、申し込みを受け付けないファンドのリストを公表している。

 野村アセットマネジメント、大和アセットマネジメント、日興アセットマネジメント、三井住友DSアセットマネジメント、東京海上アセットマネジメント、岡三アセットマネジメントなどは、ホームページのトップ画面の分かりやすい場所に「東京証券取引所の取引停止に伴う投資信託の設定・解約の受付停止について」という告知文を掲載し、それぞれ、設定・解約の受け付けを停止するファンドのリストを公表した。

 外資系の運用会社でもアムンディ・ジャパン、ドイチェ・アセット・マネジメント、インベスコ・アセット・マネジメントなどが設定・解約の受付を停止するファンドリストを公表している。

 運用会社のホームページは、近年、スマートフォンでの閲覧にも対応する関係で、大胆なページレイアウトにして、視覚的に変化のある画面になっているケースが多い。ただ、今回のような非常時において、投資家が一番知りたい情報をトップページの分かりやすい場所に掲示して、投資家の不安解消にいち早く努めるということは、運用会社として重要なことだと考える。投資信託においては、第一義的には販売会社が投資家と向き合い、投資家に対して設定・解約に関する情報を届けることが当然であり、SBI証券や野村證券などは非常に目立つ場所に取引停止の情報を掲載し、その対応について日本取引所グループの最新情報にリンクするなどの工夫もしている。

 運用会社はファンドの運用が主たる役割ではあるが、このような非常事態にあっては、業界が一丸となって投資家の不安解消に役立つようなアクションが取られると、「個人投資家」という一部分の人だけでなく、国民的な金融商品としての認知度が一段と高まることにつながる。コロナ禍の下での在宅勤務などの関係で十分な連携が取り難い中であったが、運用会社としての対応にばらつきが出たことは残念なことだった。(運用会社の公式ホームページでの対応は、10月1日17:00までの対応)
提供:モーニングスター社
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