「ひふみプラス」が総合第2位に浮上=ネット証券の投信積立契約件数ランキング20年9月
大手ネット証券3社の投信積立契約件数ランキング(月次、20年9月)で「ひふみプラス」が総合第2位になった。前月の第5位からジャンプアップしている。トップを独走する「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」とは、ポイントで9ポイントの開きがあるため、トップとの差は大きいが、低コストのインデックス・ファンドがランキングの大部分を占める積立投資契約件数において、アクティブファンドが第2位の地位にまで登ってきたのは、世界の株価に高値警戒感が出始める中で銘柄を選別するアクティブファンドへの見直しが進んできたことと、同ファンドの主要な投資先である日本株に割安感が根強いことなどが背景にあると考えられる。
ランキングは、定期的に月次の投信積立契約件数トップ10を公表しているSBI証券、楽天証券、マネックス証券の公開情報を使用。各社ランキング1位に10点、以下、順位が落ちるたびに1点を減点し、第10位を1点として、3社のランキング10位までのファンドの点数を集計した。
「ひふみプラス」は、国内外の株式を投資対象とし、主に日本の成長企業に投資する投資信託だ。純資産総額は4830億円に達し、国内株式を投資対象とした投資信託(ETF除く)の中でトップの運用資産規模を誇っている。8月末現在の資産配分比率は、国内株式が78.4%に対し、海外株式(海外投資証券含む)が12.9%、現金等が8.7%という比率で、海外株式にも約13%の資産を振り向けている。同ファンドの運用の特徴として、企業訪問を含む調査活動に徹してボトムアップでより良い銘柄を選別していくことがある。運用会社であるレオス・キャピタルワークスでは、海外にも調査拠点を設け、2019年10月に日本を除く海外株式に投資するアクティブファンド「ひふみワールド」を設定するなど、海外株の現地調査にも注力している。
「ひふみプラス」の運用の特徴は、コロナショックで世界的に株価が下落する直前の今年2月末時点では、ポートフォリオに占める現金比率を31.2%にまで高めるなど、市場の変化に応じて柔軟な運用をしているところにある。過去1年間を振り返ると、現金比率は0%台から30%台まで大きく変動する一方、海外株式に対しては12%から15%程度の投資を継続的に確保し、国内株への投資比率を57%から86%程度まで大きく動かしている。
特に株価が急落する前の段階で現金比率を大きく高め、株価の下落局面で徐々に株式への投資比率を高めていった(3月末の現金比率=19.3%、4月末=17.2%、5月末=13.9%、6月末=8.7%)運用経過は、市場の変化に対応する同ファンドのへの信頼感を高めたものと考えられる。積立投資のように長期で継続して投資する対象としては、同ファンドで示したような「株価が高い時には株式を利食い売りし、株価が下がった時に押し目買い」という行動を運用者が行ってくれることは、大変心強いことといえる。これは、インデックス・ファンドには期待できない付加価値だ。
なお、前月はベスト10圏外になっていた「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」が第9位になり、ベスト10に返り咲いた。9月になって、新型コロナウイルス感染症の感染が再び世界中で拡大し、一部では都市封鎖も実施されるなど、再開した経済活動に冷水を浴びせるようなことになってきた。また、11月の米国大統領選も接近し、市場の不透明感も高まってきたことで、投資リスクをより分散することが意識されている兆候とみることもできる。
提供:モーニングスター社
ランキングは、定期的に月次の投信積立契約件数トップ10を公表しているSBI証券、楽天証券、マネックス証券の公開情報を使用。各社ランキング1位に10点、以下、順位が落ちるたびに1点を減点し、第10位を1点として、3社のランキング10位までのファンドの点数を集計した。
「ひふみプラス」は、国内外の株式を投資対象とし、主に日本の成長企業に投資する投資信託だ。純資産総額は4830億円に達し、国内株式を投資対象とした投資信託(ETF除く)の中でトップの運用資産規模を誇っている。8月末現在の資産配分比率は、国内株式が78.4%に対し、海外株式(海外投資証券含む)が12.9%、現金等が8.7%という比率で、海外株式にも約13%の資産を振り向けている。同ファンドの運用の特徴として、企業訪問を含む調査活動に徹してボトムアップでより良い銘柄を選別していくことがある。運用会社であるレオス・キャピタルワークスでは、海外にも調査拠点を設け、2019年10月に日本を除く海外株式に投資するアクティブファンド「ひふみワールド」を設定するなど、海外株の現地調査にも注力している。
「ひふみプラス」の運用の特徴は、コロナショックで世界的に株価が下落する直前の今年2月末時点では、ポートフォリオに占める現金比率を31.2%にまで高めるなど、市場の変化に応じて柔軟な運用をしているところにある。過去1年間を振り返ると、現金比率は0%台から30%台まで大きく変動する一方、海外株式に対しては12%から15%程度の投資を継続的に確保し、国内株への投資比率を57%から86%程度まで大きく動かしている。
特に株価が急落する前の段階で現金比率を大きく高め、株価の下落局面で徐々に株式への投資比率を高めていった(3月末の現金比率=19.3%、4月末=17.2%、5月末=13.9%、6月末=8.7%)運用経過は、市場の変化に対応する同ファンドのへの信頼感を高めたものと考えられる。積立投資のように長期で継続して投資する対象としては、同ファンドで示したような「株価が高い時には株式を利食い売りし、株価が下がった時に押し目買い」という行動を運用者が行ってくれることは、大変心強いことといえる。これは、インデックス・ファンドには期待できない付加価値だ。
なお、前月はベスト10圏外になっていた「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」が第9位になり、ベスト10に返り咲いた。9月になって、新型コロナウイルス感染症の感染が再び世界中で拡大し、一部では都市封鎖も実施されるなど、再開した経済活動に冷水を浴びせるようなことになってきた。また、11月の米国大統領選も接近し、市場の不透明感も高まってきたことで、投資リスクをより分散することが意識されている兆候とみることもできる。
提供:モーニングスター社