国内株アクティブファンドが外国株並み運用成績、運用対象に浮上するか=DC専用ファンド(20年12月)
DC専用ファンド(確定拠出年金制度向けに設定・運用されているファンド)の2020年12月の純資金流出入額は約506億円の流入超過になった。前月(11月)に19カ月ぶりの資金流出となったところから一転し、20年5月(約771億円)以来7カ月ぶりの大規模な資金流入となった。バランスが約180億円の資金流入となった他、先進国株式も約157億円の資金流入となり、全カテゴリーに満遍なく資金が流入した。
DC専用ファンド全体の純資産総額は約7兆787億円と前月から約1845億円増加し、初めて7兆円の大台に乗せた。資産配分状況は、株式ファンド42%、債券ファンド19%、バランスファンド36%という割合だった。債券ファンドは前月に比べて1%比率を落とした。世界的な超低金利を背景に債券ファンドからの資金流出が続いている。DC専用ファンド全体に対する債券ファンドの比率は2015年1月には24%だったが、徐々に比率を低下して遂に20%割れになった。(*個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない)
DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングは、前月同様に第1位が野村アセットマネジメントの「野村 外国株式インデックスF(確定拠出年金)」だった。引き続き、資金流入上位10ファンドでは先進国株式インデックスファンドが多くランクインしている。12月はトップ10のうち、トップ5と合わせて7銘柄が先進国株式インデックスファンドだった。
また、前月第7位の「ひふみ年金」(レオス・キャピタルワークス)は第6位に、前月第8位の「DC世界経済インデックスファンド」(三井住友トラスト・アセットマネジメント)は第7位に、それぞれランクアップした。
そして、第10位に入った「キャピタル 世界株式ファンド(DC年金用)」(キャピタル・インターナショナル)は、新興国を含む世界の株式を投資対象としたアクティブファンドだ。先進国株式インデックスファンドは、過去1年間のトータルリターンが9%前後だが、このファンドは23.49%と高い運用成績を残している。先進国株式インデックスで6割超を占める米国株式は、昨年は大きく値上がりし、それだけ株価が割高になったとの指摘も出ている。運用会社の目利きによって選別投資するアクティブファンドへの需要も高まってきたということだろう。
個別ファンドの過去1年間のトータルリターンのトップは、9カ月連続で「<DC>ベイリー・ギフォード世界長期成長株F」(三菱UFJ国際投信)になった。第2位には「大和住銀DC外国株式ファンド」(三井住友DSアセットマネジメント)が前月の第3位からランクアップした。前月まで3カ月連続で第2位だった「DCダイワ 中小型株ファンド」(大和アセットマネジメント)は第3位に後退した。
トータルリターンランキングは、引き続き国内外の株式を投資対象とするアクティブファンドが好成績を持続している。グローバル株式では第1位の「<DC>ベイリー・ギフォード世界長期成長株F」の他、第2位の「大和住銀DC外国株式ファンド」、第6位の「AB・G・オポチュニティーズDC」(アライアンス・バーンスタイン)など。中国株式に投資する第4位の「DCニュー・チャイナ・ファンド」(三井住友DS)も3カ月連続でトップ10に入っている。
一方、国内株式では、第3位の「DCダイワ中小型株ファンド」と第10位の「インベスコ 日本株式グロース・ファンド」(インベスコ・アセット・マネジメント)は前月に引き続きトップ10だが、新たに、第5位の「J・エクイティ(DC年金)」(三菱UFJ国際)、第7位の「クスリのアオキホールディングス株式F(DC)」(野村アセット)、第8位の「三菱UFJ<DC>日本株オープン『35』」(三菱UFJ国際)、第9位の「DC日本株式エクセレント・フォーカス」(三井住友TAM)がランクインした。国内株式のアクティブファンドはこれまではあまり注目されずに残高が小さなファンドが多いが、外国株式ファンドと肩を並べる運用成績となっており、今後は、運用成績を評価してDCの運用対象として存在感を高めていくことが期待される。
提供:モーニングスター社
DC専用ファンド全体の純資産総額は約7兆787億円と前月から約1845億円増加し、初めて7兆円の大台に乗せた。資産配分状況は、株式ファンド42%、債券ファンド19%、バランスファンド36%という割合だった。債券ファンドは前月に比べて1%比率を落とした。世界的な超低金利を背景に債券ファンドからの資金流出が続いている。DC専用ファンド全体に対する債券ファンドの比率は2015年1月には24%だったが、徐々に比率を低下して遂に20%割れになった。(*個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない)
DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングは、前月同様に第1位が野村アセットマネジメントの「野村 外国株式インデックスF(確定拠出年金)」だった。引き続き、資金流入上位10ファンドでは先進国株式インデックスファンドが多くランクインしている。12月はトップ10のうち、トップ5と合わせて7銘柄が先進国株式インデックスファンドだった。
また、前月第7位の「ひふみ年金」(レオス・キャピタルワークス)は第6位に、前月第8位の「DC世界経済インデックスファンド」(三井住友トラスト・アセットマネジメント)は第7位に、それぞれランクアップした。
そして、第10位に入った「キャピタル 世界株式ファンド(DC年金用)」(キャピタル・インターナショナル)は、新興国を含む世界の株式を投資対象としたアクティブファンドだ。先進国株式インデックスファンドは、過去1年間のトータルリターンが9%前後だが、このファンドは23.49%と高い運用成績を残している。先進国株式インデックスで6割超を占める米国株式は、昨年は大きく値上がりし、それだけ株価が割高になったとの指摘も出ている。運用会社の目利きによって選別投資するアクティブファンドへの需要も高まってきたということだろう。
個別ファンドの過去1年間のトータルリターンのトップは、9カ月連続で「<DC>ベイリー・ギフォード世界長期成長株F」(三菱UFJ国際投信)になった。第2位には「大和住銀DC外国株式ファンド」(三井住友DSアセットマネジメント)が前月の第3位からランクアップした。前月まで3カ月連続で第2位だった「DCダイワ 中小型株ファンド」(大和アセットマネジメント)は第3位に後退した。
トータルリターンランキングは、引き続き国内外の株式を投資対象とするアクティブファンドが好成績を持続している。グローバル株式では第1位の「<DC>ベイリー・ギフォード世界長期成長株F」の他、第2位の「大和住銀DC外国株式ファンド」、第6位の「AB・G・オポチュニティーズDC」(アライアンス・バーンスタイン)など。中国株式に投資する第4位の「DCニュー・チャイナ・ファンド」(三井住友DS)も3カ月連続でトップ10に入っている。
一方、国内株式では、第3位の「DCダイワ中小型株ファンド」と第10位の「インベスコ 日本株式グロース・ファンド」(インベスコ・アセット・マネジメント)は前月に引き続きトップ10だが、新たに、第5位の「J・エクイティ(DC年金)」(三菱UFJ国際)、第7位の「クスリのアオキホールディングス株式F(DC)」(野村アセット)、第8位の「三菱UFJ<DC>日本株オープン『35』」(三菱UFJ国際)、第9位の「DC日本株式エクセレント・フォーカス」(三井住友TAM)がランクインした。国内株式のアクティブファンドはこれまではあまり注目されずに残高が小さなファンドが多いが、外国株式ファンドと肩を並べる運用成績となっており、今後は、運用成績を評価してDCの運用対象として存在感を高めていくことが期待される。
提供:モーニングスター社