三井住友AMが「オーストラリア株式オープン」を設定

 三井住友アセットマネジメントは3月1日、オーストラリアの上場株式を中心に投資する「オーストラリア株式オープン」の設定・運用を開始した。オーストラリア債券や、REIT(不動産)など他のオーストラリア関連資産に投資するファンドの設定はこれまでも多く設定されてきているが、オーストラリア株式を中心に投資するファンドは現在運用されているファンドで計4本(同ファンドも含む)とやや少なめとなっている。一方で、堅調な経済環境やオーストラリアで豊富に産出する天然資源などを考慮すると、株式市場の魅力も高いという。年2回決算(2月14日、8月14日)。販売会社は東洋証券、のぞみ証券。3月19日時点の純資産額は14億5700万円。

 「オーストラリア株式オープン」は、主にオーストラリア取引所に上場する株式(世界各国・地域の取引所に上場するオーストラリア関連株式も投資可能。ただ、実際の組入銘柄はオーストラリア証券取引所上場の銘柄が中心となる)に加えて、オーストラリアと経済的・地理的に近接するニュージーランドの取引所上場のニュージーランド株式にも投資することができる仕組みとなる。また、豪州REIT(不動産投資信託)も組み入れられる仕組みとなっている。

 豪州投資の魅力にとしては、09年の経済成長率が1.1%、10年は2.9%増が予想されるなど、先進国のなかでは比較的堅調な経済成長が見込まれている点が挙げられる。直近で見ても、09年10月−12月の実質GDP(国内総生産)が前期比0.9%増と2年半ぶりの高い経済成長率を達成し、4四半期連続のプラス成長。また、先進国でありながら人口増加国でもある。他国と同様に09年のリーマン・ショックによる景気の落ち込みに対して大規模な景気対策を行ったが、住宅着工件数は09年年初を底に増加に転じるなど、経済指標の改善が顕著で、09年10月には先進国でいち早く「利上げ」を再開した。また、オーストラリアの貿易構造をみると、鉱物資源や金属製品などのアジア向け輸出が増加する一方で、資本財や中間財などのアジアからの輸入が増加し、アジアとの相互補完関係が強まっているという。特にアジアの中でも中国との結びつきが強まっていることに加え、FTA(自由貿易協定)を締結したシンガポールやタイとの貿易も拡大、さらにASEAN(東南アジア諸国連合)、ニュージーランド、オーストラリアの間ではFTAが2010年1月に発効するなど、今後の貿易拡大が期待されている。

 オーストラリアの株式市場は、上場銘柄が1900銘柄超、時価総額が約107兆円となるなど、ファンドの投資対象として十分な規模を持つとされる。また、オーストラリア株式市場の特徴として、配当利回りが世界平均よりも大幅に高いという点が挙げられる。オーストラリア株式市場の代表的な株価指数S&P/ASX200指数では、金融39.3%、素材25.6%と、オーストラリアで発達した金融関連の銘柄と豊富な資源を背景とした素材のウエートが大きくなっている。

 同ファンドの投資ユニバースについては、600銘柄程度の中から流動性や財務面などの指標でスクリーニングを実施し、120銘柄程度を投資対象銘柄として選別。「成長力や収益性」「商品戦略や競争状況」などについてのボトムアップでの企業調査を行い、ポートフォリオを構築。最終的には40銘柄前後に絞り込む。また、流動性などを勘案して中小型の銘柄への投資も行う予定。オーストラリア市場で発達しているREITなど(インフラ、電力関連の上場証券も含む)に投資するが、投資制限は10%以下となっている。

 オーストラリアは地理的に欧米から遠く、人口規模も比較的小さいことから、これまで海外企業の参入が限られた。国内企業で寡占化が進んでいる業種が多いため、価格決定力が強く、安定した業績拡大を遂げている企業が少なくない。加えて、日本では知名度が低いものの、現地の中小型銘柄にたくさんのユニークな企業が存在することも大きな特徴とされる。特に、同ファンドを担当するファンドマネジャーはオーストラリア株式に精通しており、運用経験も豊富。加えて、2人のアナリストによる企業調査をベースに銘柄の選別を行う。

主な購入費用など
申込手数料(上限、税込み):3.15%
信託報酬率(年、税込み):1.7115%
信託財産留保額:0.3%
提供:モーニングスター社
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