投信の資金流出が急増、ただ冷静さ欠いた解約は正しい判断ではない=米モーニングスター

 割安な株を購入するチャンスが広がっているが、ファンド・マネージャーは新たに銘柄を買うよりも手持ちの株を売る必要に迫られている。米モーニングスターが調査対象とする投資信託では9月に解約が相次ぎ、10月は9月を上回るペースで資金流出が進んだとみられる。多くのファンドは中小型株を売却して主力銘柄に投資を集中しているほか、今後の解約に備えて多くの現金を確保しようとするなど、運用の柔軟性が失われている。
 ファンド・マネージャーが自らの調査に基づいて売買する銘柄を決定するよりも、投資家の解約に対応するために保有銘柄の処分を強いられる方がファンドの運用コスト上昇につながることは調査で示されている。また、ファンドのパフォーマンスが低下して投資家が解約しようとすると、ファンドは流動性が低い中でも保有銘柄の売却を迫られ、損失の発生がさらなる解約につながるという悪循環が生じる。
 しかし、投資家としては冷静さを失ってファンドを解約することは正しい判断とは言えない。投資家は一般的に高いときに買って安いときに売ることで利益獲得のチャンスを逃している。また、資金の逃避先として現金を選ぶのは別のリスクがある。現金に頼ればインフレで購買力が低下することを覚悟しなければならない。また、将来的に再投資を始めるタイミングを図るのが難しくなり、投資に適切な時期を見逃す可能性がある。(2008年10月23日付コラムを抄訳)

提供:モーニングスター社
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