医療、通信、原発、金関連ETFは売られすぎ=米モーニングスター

 各国株式が大幅に下落する中で、セクター別やテーマ別ETF(上場投資信託)の一部に、本来価値を大きく下回る水準まで売り込まれたETFがある。また、景気悪化の影響を受けにくいETFや、利回りが高水準となっているETFもあり、これらも注目に値する。
 景気落ち込みの悪影響を直接受けないディフェンシブ銘柄で存在感を増しているのが医療機器関株だ。景気が悪くなっても、病気になれば医者に行かなくてはならない。また、医療費は医療保険から支払われる部分があるため、消費の冷え込みが即座に企業業績に及ばない。医療機器関連の企業は債務がほとんどないか、全くない企業が多く、キャッシュを潤沢に持っている。現在の相場の混乱は投資家が優良な医療機器関連株を割安な価格で買える好機と言える。代表的なETFとしては「アイシェアーズ・ダウ・ジョーンズ・US・メディカル・デバイシズ・ETF(IHI)」がある。メドトロニックのような大手から、インテュイティブ・サージカルなどの高成長期待の銘柄まで幅広く組み込んでいる。
 利回りの高さで目を引くのが、世界の通信関連株に投資するETF「アイシェアーズ・S&P・グローバル・テレコミュニケーションズ(IXP)」だ。通信業界の銘柄の多くは市場平均以上の配当利回りで、今後も配当支払いの目標を達成するだけの十分な資本とキャッシュフローを持ち合わせている。IXPは急速な成長が期待できる新興国の通信株もカバーしており、1つの国や1つの銘柄に偏るリスクを背負わずに、こうした急成長分野に投資できる利点は大きい。また、テーマ型ETFでは、原発関連株に投資する「マーケット・ベクターズ・ニュークリアー・ETF(NLR)」が二ケタの利回りを維持している。ウランの採掘からプラントの建設、燃料の移送に至るまで世界の原発関連株に投資するETFで、原発の時代が到来すると予想する投資家にとっては投資に最適のETFと言える。
 また、足元で金価格との乖離が大きくなっている金関連株ETFの「マーケット・ベクターズ・ゴールド・マイナーズ・ETF(GDX)」も見逃せない。金価格は過去3カ月で約10%も下落したが、GDXは50%近く急落している。株式市場は現在の金価格(1オンス=720ドル)を大きく下回る350ドルの水準まで、金価格の下落を織り込んでいる可能性があり、GDXが売られすぎているのもそのためだ。しかし、実際には金貨や金塊に対する需要が高まっているとの見方もあり、金の生産者は今後、高い価格を要求できるようになる可能性がある。(2008年11月14日付コラムを抄訳)


提供:モーニングスター社
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