米国上場ETFの年初来リターンランキング上位はカラ売り型が独占=米モーニングスター

 感謝祭(11月27日)を機に今年1年を振り返り、米モーニングスターがモニターしている611本の米国上場ETF(上場投資信託)を年初来の運用成績に応じてランキングした。
 軒並み高いパフォーマンスを達成したETFは相場の下落局面で利益を追求する「ショート(カラ売り)型」のETFだ。これは連動する指数が下落する分だけ利益を得られる商品で、運用成績の上位35位までが全てショート型のETFとなっている。さらに、トップ22位までを指数の下落幅の数倍のリターンが得られる「レバレッジ・ショート型」ETFが独占している。
 運用成績のトップは半導体セクターの米国株の下落にレバレッジをかけて高リターンを達成した「ウルトラショート・セミコンダクター・プロシェアーズ(SSG)」で、ETF価格は年初から4倍近くになっている。年初来リターンは2位の「ウルトラショート・ラッセル・ミッドキャップ・Gr・プロシェアーズ(SDK)」が156%、3位の「ウルトラショート・テクノロジー・プロシェアーズ(REW)」が139%、4位の「ウルトラショート・インダストリアルズ・プロシェアーズ(SIJ)」が124%、5位の「ウルトラショート・ラッセル・1000・グロース・プロシェアーズ(SFK)」が116%となっている。
 ショート型ETF以外で最高位(36位)にランクインしたのが、「アイシェアーズ・リーマン・20+イヤー・トレジャリー・ボンド(TLT)」で、リターンは16%となった。米国債に投資する同ETFは金融市場の混乱の中、質への逃避で投資家に好まれたようだ。
 ランキングの中で株式の「ロング(買い持ち)型」ETFが最初に登場するのは88位の「パワーシェアーズ・ダイナミック・バンキング(PJB)」で、リターンはマイナス13%にとどまっている。金融危機にあっても、銀行セクターを投資対象とするETFがロング型でトップとなったのは驚きだ。背景には、企業の成長性や株価、リスク要因などを考慮して銘柄構成を決定する同ETFの特徴と、パワーシェアーズの運用方針があったと思われる。
 全体でみると、611本の全ETFのうち364本がS&P500指数のリターン(マイナス40%)を下回っている。特に下落率が目立つのが、指数の上昇にレバレッジをかけて高リターンを狙う「レバレッジ・ロング型」で、「ウルトラ・ファイナンシャルズ・プロシェアーズ(UYG)」がマイナス86%、「ウルトラ・ベーシック・マテリアルズ・プロシェアーズ(UYM)」がマイナス85%、「ウルトラ・セミコンダクター・プロシェアーズ(USD)」がマイナス83%となっており、それぞれ金融株、素材株、半導体株の大幅な下落が響いた。(2008年11月26日付コラムを抄訳)


提供:モーニングスター社
Feature & Column 特集&コラム
  • 特集&コラム読み込み中です
このページのTOPへ
この情報は、ウエルスアドバイザー株式会社が信頼できると判断したデータにより作成しましたが、その正確性、安全性等について保証するものではありません。
また、このページは、投資判断の参考としての情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としてはいません。
このページで提供している情報、記事、画像、図表などの転用、販売、再配信は固く禁じます。

当サイトに表示されている広告の一部はヤフー株式会社に配信を委託しています。ヤフー株式会社から配信される広告が表示されるページを訪問した際には、ヤフー株式会社も同社のcookies情報を取得いたします。そこで収集されるcookies情報については当社に提供・開示されることはなく、ヤフー株式会社が定めるプライバシーの考え方にしたがって管理されます。くわしくはこちらをご覧ください。また、ヤフー株式会社から配信される行動ターゲティング広告についてはこちらをご覧下さい。