国際投信の「インドネシア株式オープン」――注目を集めるインドネシア株式に投資
国際投信投資顧問は7月23日、インドネシア株式に投資する「インドネシア株式オープン」<2010072302>の設定・運用を開始した。国際投信では従来から「アジア・セレクション」としてアジア各国の株式に投資するファンドをシリーズ化してきたが、今回は新たに「アジア・カントリー・セレクション」と題して、成長期待の高いシングルカントリーの株式に投資するファンドを設定。その第一弾の「インドネシア株式オープン」は足元投資家の関心を集めているインドネシア株式を主要投資対象とする。
販売会社は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券。年1回(原則、7月22日)決算。また、「マネー・プール・ファンド4」も同時に設定しており、両ファンド間でのスイッチングが可能な仕組みとなる。20日時点の純資産額は154億2800万円。
「インドネシア株式オープン」は、インドネシア株式オープン マザーファンド受益証券への投資を通じてインドネシアの上場株式(これに準ずるものも含む)に投資する。「インドネシアは経済の成長性と同時にその安定性にも注目できる」(株式運用部)といい、経済規模では他の新興諸国であるBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)にはまだ及ばないものの、08年のリーマン・ショック後の09年も実質GDP(国内総生産)成長率は5%程度を維持できたという。
一方で、インドネシアの名目GDPに占める民間最終消費支出の割合は60%程度を占めており、例えば輸出に依存する新興国などと比較して外部環境に左右されにくく、外部ショックに強いとされている。また、世界第4位の人口を抱え、生産年齢人口(15歳から64歳)の比率が高いことや、中間所得者層の拡大とともに最終消費支出が増加していること、アジアでは珍しい資源国であることなども魅力となっている。
実際の投資にあたっては、シンガポール拠点の運用会社KEキャピタル・パートナーズのアドバイスを受け、運用を行う。同社は親会社であるシンガポールの証券大手キムエン・ホールディングス・リミテッドのアジア全般に関する情報を活用できるほか、インドネシアとシンガポールは地理的にも近いことから、実地の企業調査に有利な面もあるという。実際にKEキャピタルで運用アドバイスに携わるのは6名。「実際に面談した会社のみに投資する」(同)と言うようにボトムアップでの企業調査をベースとした組み入れを行う方針。インドネシア株式市場上場の約400銘柄のなかから、流動性などを考慮し120銘柄程度で投資ユニバースを構築し、うち約40銘柄から50銘柄程度でポートフォリオが組まれる。
8月6日時点でのマザーファンドのポートフォリオをみると、業種別組入比率では金融25.7%、エネルギー12.3%、生活必需品11.8%、一般消費財・サービス9.8%となっている。ただ、これはインドネシア株式市場の一般的な株価指数であるジャカルタ総合指数との比率と大きくはカイ離していない。インドネシア株式市場では、新興国株式市場ということもあり、流動性が低く、マーケットキャップが小さい銘柄が比較的多い。こうした流動性リスクを避けるために、流動性が高く、時価総額の大きな銘柄が投資対象の中心となるといい、こうした銘柄間の選別で収益を狙う方針だ。
投資対象のインドネシア株式市場をみると、ジャカルタ総合指数は08年のリーマン・ショックの影響から一時下落する場面があったものの、09年7月にユドヨノ大統領が選挙で再選を果たしたことなどを好感し、大きく上昇。10年に入ると、他の新興国株式市場では株価の伸び悩むところが出ているなか、比較的堅調な推移となっている。1997年から1998年には「アジア通貨危機」の影響を受けて財政収支は大幅な赤字となったものの、その後改善。インドネシアの経常収支は黒字化しており、外貨準備高も大きく伸びている。他国と比較して経済のファンダメンタルズが強固となってきている。さらに、国債の格付けの動向をみても、「ブラジルの次の投資適格債への格上げの候補」(同)となっている点も信用力の拡大につながっているという。
一方、09年、10年前半と株価は良好なパフォーマンスを記録したことから、目先の過熱感が指摘されているものの、「MSCIエマージング・インドネシアの1株利益などをみても、過去のレンジから大きくカイ離しているわけではない」(同)との見方だ。
主な購入費用など
申込手数料(上限、税込み):3.15%
信託報酬率(年、税込み):1.7325%(マネープールファンドは0.735%)
信託財産留保額:0.3%(マネープールファンドはなし)
スイッチング手数料(税込み):1.05%(マネープールファンドへは無料)
提供:モーニングスター社
販売会社は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券。年1回(原則、7月22日)決算。また、「マネー・プール・ファンド4」も同時に設定しており、両ファンド間でのスイッチングが可能な仕組みとなる。20日時点の純資産額は154億2800万円。
「インドネシア株式オープン」は、インドネシア株式オープン マザーファンド受益証券への投資を通じてインドネシアの上場株式(これに準ずるものも含む)に投資する。「インドネシアは経済の成長性と同時にその安定性にも注目できる」(株式運用部)といい、経済規模では他の新興諸国であるBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)にはまだ及ばないものの、08年のリーマン・ショック後の09年も実質GDP(国内総生産)成長率は5%程度を維持できたという。
一方で、インドネシアの名目GDPに占める民間最終消費支出の割合は60%程度を占めており、例えば輸出に依存する新興国などと比較して外部環境に左右されにくく、外部ショックに強いとされている。また、世界第4位の人口を抱え、生産年齢人口(15歳から64歳)の比率が高いことや、中間所得者層の拡大とともに最終消費支出が増加していること、アジアでは珍しい資源国であることなども魅力となっている。
実際の投資にあたっては、シンガポール拠点の運用会社KEキャピタル・パートナーズのアドバイスを受け、運用を行う。同社は親会社であるシンガポールの証券大手キムエン・ホールディングス・リミテッドのアジア全般に関する情報を活用できるほか、インドネシアとシンガポールは地理的にも近いことから、実地の企業調査に有利な面もあるという。実際にKEキャピタルで運用アドバイスに携わるのは6名。「実際に面談した会社のみに投資する」(同)と言うようにボトムアップでの企業調査をベースとした組み入れを行う方針。インドネシア株式市場上場の約400銘柄のなかから、流動性などを考慮し120銘柄程度で投資ユニバースを構築し、うち約40銘柄から50銘柄程度でポートフォリオが組まれる。
8月6日時点でのマザーファンドのポートフォリオをみると、業種別組入比率では金融25.7%、エネルギー12.3%、生活必需品11.8%、一般消費財・サービス9.8%となっている。ただ、これはインドネシア株式市場の一般的な株価指数であるジャカルタ総合指数との比率と大きくはカイ離していない。インドネシア株式市場では、新興国株式市場ということもあり、流動性が低く、マーケットキャップが小さい銘柄が比較的多い。こうした流動性リスクを避けるために、流動性が高く、時価総額の大きな銘柄が投資対象の中心となるといい、こうした銘柄間の選別で収益を狙う方針だ。
投資対象のインドネシア株式市場をみると、ジャカルタ総合指数は08年のリーマン・ショックの影響から一時下落する場面があったものの、09年7月にユドヨノ大統領が選挙で再選を果たしたことなどを好感し、大きく上昇。10年に入ると、他の新興国株式市場では株価の伸び悩むところが出ているなか、比較的堅調な推移となっている。1997年から1998年には「アジア通貨危機」の影響を受けて財政収支は大幅な赤字となったものの、その後改善。インドネシアの経常収支は黒字化しており、外貨準備高も大きく伸びている。他国と比較して経済のファンダメンタルズが強固となってきている。さらに、国債の格付けの動向をみても、「ブラジルの次の投資適格債への格上げの候補」(同)となっている点も信用力の拡大につながっているという。
一方、09年、10年前半と株価は良好なパフォーマンスを記録したことから、目先の過熱感が指摘されているものの、「MSCIエマージング・インドネシアの1株利益などをみても、過去のレンジから大きくカイ離しているわけではない」(同)との見方だ。
主な購入費用など
申込手数料(上限、税込み):3.15%
信託報酬率(年、税込み):1.7325%(マネープールファンドは0.735%)
信託財産留保額:0.3%(マネープールファンドはなし)
スイッチング手数料(税込み):1.05%(マネープールファンドへは無料)
提供:モーニングスター社