新生インベが「中国人民元マネジメント債券ファンド(毎月決算型)」を11月29日に設定

 新生インベストメント・マネジメントは11月29日に、中国の社債などを中心に投資し、人民元のNDF(ノン・デリバラブル・フォワード)取引を活用して人民元高の恩恵を受けることを目指す「中国人民元マネジメント債券ファンド(毎月決算型)」(追加型投信/海外/債券)の設定・運用を開始する。当初募集期間は11月26日まで。販売会社は安藤証券、香川証券、内藤証券、マネックス証券、三田証券。毎月(原則、10日)決算。分配は第4期決算日(2011年4月11日)からを予定している(初回決算日は11年1月11日)。

 中・長期的な人民元高期待から実質的に人民元に投資する商品や手段は増えつつあるが、同ファンドは中国の社債に実質的に投資する公募ファンドとしては国内初。NDFを活用することで中・長期的な人民元高の恩恵も受けることが可能な仕組みとなっている。

 「中国人民元マネジメント債券ファンド(毎月決算型)」は、実質的に中国の債券に投資するケイマン籍の米ドル建て外国投資信託「CCBI China Value Bond Fund」と、短期公社債などに投資する「SIM ショートターム・マザー・ファンド」に投資する。基本的には、米ドル建ての中国債券に投資するとともに、ほぼ同額程度の人民元のNDF取引(人民元買い/米ドル売り)を行い、人民元のNDF相場の影響を受けるポジションを作る。

 NDF取引は、想定元本部分の受け渡しを行わず、取引の当事者同士が契約時に決定した価格と、決済期日の価格との差額に元本相当額を乗じた分だけを外貨で受け渡しする取引を意味する。例えば、新興国などの為替取引に制限が多い国々に対する為替取引においては、NDF取引が利用されるケースが多い。

 中国政府は10年6月に人民元の為替レートを柔軟に変動させると発表しているが、為替レート自体は中国人民銀行が営業日ごとに基準値を決定するなど事実上の管理通貨制度を敷いている。また、将来のインフレ懸念などから過剰な外貨流入を防ぐ意味でも人民元と外貨の交換は厳密な実需原則が採られており、資本取引も厳密な規制があるという。一方、人民元のNDF取引においては、人民元の現物受け渡しを行わないことから実質的に人民元を必要としないため、人民元取引の制限というデメリットを回避することが可能となる。ただ、NDFによる人民元レートは将来の人民元の期待値を織り込む形で変動することから、中国人民銀行(中国の中央銀行)が公示する直物レート(スポット・レート)と差が生じるケースが出ているという。

 実際の運用に関しては、中国4大国有商業銀行の一つである中国建設銀行傘下で資産運用を行う建銀国際アセット・マネジメントが担当する。中国建設銀行は10年6月末時点の時価総額が世界第9位となるなど、世界でも有数の金融機関となっている。その傘下の建銀国際AMは充実したリサーチ体制を整えており、さらにグループ各社の情報を活用することで調査体制に厚みを加えている。投資対象市場の香港の債券市場については、05年から08年かけては債券の新規発行残高はやや落ち込んだものの、09年には大きく新規発行残高を伸ばしている。09年12月時点では中国債券の香港市場の通貨別構成比率は米ドル建てが7割超となっているが、香港ドルやユーロ、人民元建ても流通している。

 業種別でみると、不動産が5割程度を占める以外には、比較的さまざまな業種の債券が流通している。一方、香港市場で流通する国債については利回り面ではやや魅力に欠けることなどから同ファンドは中国の社債に注目した組み入れを行う。

 一方、中国においては、社債市場が発展してきてからまだ日が浅いことなどもあって、企業が社債を発行できること自体がある程度の事業規模と財務健全性を有すると考えられるという。人民元建ての債券も流通してはいるものの流動性は低く、規制や環境などから投資しにくい面があることからドル建ての社債に着目したという。規制や環境などの変化があれば、人民元建ての債券にも投資を行うことがある。

 香港市場では「A」格から「格付けなし」まで幅広い銘柄が流通しているが、実際の組み入れにおいては、投資適格債を中心にし、ハイ・イールド債券なども3分1程度組み入れる可能性もあるとしている。また、デュレーションについては当面3年程度から5年程度になるとしている。

主な購入費用など
購入時手数料(上限、税込み):3.675%
運用管理費用(信託報酬)(年、税込み):実質的には1.7895%程度
信託財産留保額:0.5%
提供:モーニングスター社
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