海外リート市場の急落について投信各社がレポート発表

 世界のREIT(=リート、上場不動産投信)市場が20日、急落した。米国の代表的なリート指数である「FTSE NAREIT Equity REITs Index」が20日に前日比で11.58%の下落。英国のリート指数も7%以上下落した。これに為替の円高推移が加わったため、21日には世界のリートに投資するファンドが前日比6〜8%、米国リートで運用されるファンドでは10%以上基準価額が下落する投信が見られた。海外リート市場の下落について、大和投資信託では、金融セクターの株価が世界的に下落したことに起因するものと分析。19日に大手銀行RBS(ロイヤルバンク・オブ・スコットランド)が決算発表で過去最大の損失を計上する見通と発表したことから、英国の金融セクターの株価が急落。欧州リート市場にも売りが波及した。不動産関連のニュースでは、ムーディーズが米国の実物不動産価格指数が11月に前月比3.4%下落したと発表し、米国リート市場の重しとなったという。また、DIAMアセットマネジメントでは、クレジット市場環境の悪化に伴い、財務体質が弱いリートの下落幅が大きかったことや、投資家のリスク許容度縮小による換金売りがあったと指摘。不動産調査機関によるオフィス取引の停滞を示すデータや証券会社各社によるオフィス市況悪化見通しのレポート発表が相次ぎ、オフィスリートに対する警戒が高まったことなどが、下落幅を大きくさせたとしている。
 今後の不動産市場については、三井住友アセットマネジメントが「クレジット市場が流動性を取り戻すには、1年程度かかると考えている」と悲観的な見通しを発表。DIAMも「リートの資金調達環境は依然として厳しい」として、変動が激しい展開を予想する。
 しかし、DIAMでは「バランスシートが健全なリートは質の高い物件や複数の物件が束ねられた投資案件を安値で買収し始める」として、いずれ市場が底固めに入ると予想、現在は国別配分や米国でのセクター配分戦略においてディフェンシブな方針をとることが重要だと分析。フィデリティ投信では「投資価値の高いREITを選別していくことが引き続き重要」として、ファンドの運用方針は変更しないとしている。


提供:モーニングスター社
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