キーパーソンが占う09年のETF動向、401k向けETFの拡充など焦点に=米モーニングスター

 米フロリダ州でこのほど開催されたETF(上場投資信託)のイベント「インサイド・ETFs・コンファレンス」で、09年以降のETF動向を探る上での興味深いパネルディスカッションが行われた。

 今後のトレンドについて議論に入る前に、ETF運用会社の各パネリストはまず08年のETF市場の動きを振り返った。話題になったのは連動する指数の数倍のリターンを狙うレバレッジ型ETFと債券連動型ETFだ。特に債券ETFは安全資産への逃避が起こった昨年大きく需要が増加しており、これからもニーズがある分野だとの意見が出ていた。

 将来的に成長が期待できるETFの分野としてパネリストが注目していたのは、年齢やライフサイクルに合わせて運用方法を変更していくターゲット・デート型、投資家のリスク許容度に応じたポートフォリオを構築するリスクベース型、市場平均を上回る投資成績を目指すアクティブ運用型、新興国を中心とした国際型の商品だ。さらには、ヘッジファンドのような高度な投資戦略を駆使するETN(上場有価証券)も登場する可能性があるという。

 個別の商品についてバークレイズ・グローバル・インベスターズ(BGI)のアイシェアーズ製品研究・開発分野の代表ノエル・アーチャード氏は、同社で最近設定されたターゲット・デート型のETFが米国の確定拠出年金(401k)や学資積み立てプラン(529プラン)向けの商品構成の基礎を築くためのものだと述べた。BGIの商品では、投資家の不安心理を示す「VIX指数」を投資対象とした2つのETN「アイパス・S&P・500・VIX・ショートターム・フューチャーズ・ETN(VXX)」と「アイパス・S&P・500・VIX・ミッドターム・フューチャーズ・ETN(VXZ)」が30日から取引開始となる予定だ。

 インベスコ・パワーシェアーズ・キャピタル・マネジメントLLCのブルース・ボンドCEO(最高経営責任者)は、同社が強みを持つアクティブ運用型のETFを今後さらに拡充すると指摘。また、新しいタイプのETFとしては商品(コモディティ)や株式、債券、通貨などの先物・オプションを対象とした「マネージド・フューチャーズ」と呼ばれる投資戦略に関連した分野で商品開発の機会があると話し、この点については他のパネリストの意見も一致した。詳細について聞かれ、全員が口を閉ざしたところをみると、既に開発段階に入っている会社もあるかもしれない。(2009年1月28日付コラムを抄訳)


提供:モーニングスター社
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