08年の波乱相場でも分散投資は有効に機能した=米モーニングスター

 分散投資の利点は、1つの資産に集中して投資するよりもリスクを抑えられることだ。分散投資により、ポートフォリオを構成するそれぞれの資産が異なる値動きをするため、長期にわたってリターンのブレを軽減できる。

 逆に分散投資をせず、例えば米国の大型成長株だけに投資した場合、1995年から1999年までの株式相場の上昇期は年率30%を超すリターンを上げられたが、その後の2000年から2002年の相場低迷期には反対に年率20%程度のマイナスリターンとなった。同様に90年代後半の株式相場の好調時にポートフォリオの30%を債券で運用していれば、この間のリターンは低下するものの、2000年に入ってからの株安局面では債券がポートフォリオの損失をある程度補う結果となる。実際に、2000年から2002年における米国の投資適格債券市場の指数「バークレイズキャピタル米国総合インデックス(旧称:リーマン債券総合インデックス)」の平均リターンは年率10%となっている。

 2008年後半は国内(米国)株や外国株に限らず、コモディティ、債券に対する投資でさえ、大幅な損失を記録した。しかし、分散投資は意味がないと断定するのは早すぎる。株式と債券の両方をポートフォリオに組み込んだ投資家は、株式投資が100%だった投資家に比べても損失は小さかった。例えば、S&P500を投資対象とした「バンガード・500・インデックス(VFINX)」というファンドは2008年に37%のマイナスリターンとなったが、同ファンドの保有比率を60%に抑え、米国の投資適格債券に幅広く投資する「バンガード・トータル・ボンド・マーケット・インデックス(VBMFX)」というファンドを40%持った場合、マイナスリターンは20%まで軽減されている。

 資産配分の専門家であるロバート・アーノット氏は、あらゆる資産が売り込まれた2008年の相場においても分散投資は機能したと述べている。また、2008年のような金融市場は異例で、いつまでも続くとは考えにくいと指摘している。
 (10日付コラムを抄訳)
提供:モーニングスター社
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