HSBCが「マス富裕層」の投資意識を調査、「勝ち組富裕層」は外貨預金に興味

 HSBCはこのほど、4月に30−60代の男女832人を対象に実施した投資意識調査を発表した。保有金融資産による投資意識の差が明らかになり、いわゆる「勝ち組富裕層」は外貨預金に興味があるとしている。
 今回の調査では、保有金融資産1000万円以上の「マス富裕層」と1000万円未満の「マス層」で分類。現状の保有資産をみると、マス富裕層では60.1%が国内株式を、33.9%が株式投信を保有しているという。これは、マス層(国内株式27.6%、株式投信9.6%)の倍以上の保有率となっており、マス富裕層は依然としてリスク資産を多く保有し続けていると判断できるという。
 この1年間での金融資産の増減についての質問では、マス富裕層の22.1%、マス層の39.9%が「ほとんど影響がなかった」と回答。しかし、この1年間で金融資産が「増えた」と答えた人は、マス富裕層で10.1%(マス層は4.8%)を占め、波乱相場の中で富裕層の約1割が積極運用により資産を増やしたという結果も出ている。
 今後の資産運用に関する意向については、マス富裕層の方がマス層よりも景気の底打ちが近いと考えており、投資対象では、マス富裕層が新興国の株式・投信に興味があるという答えが多かったのに対し、マス層はFX・金に興味を持っている。
 一方、この1年間に「資産が増えた」と答えたマス富裕層に焦点を絞ってみると、「今後も積極的に運用していきたい」と答えた人が26.1%と、他と比べ圧倒的に高い数値を記録。今後投資を行っていきたい金融商品については、外貨預金が41.9%と高い数値を示した(「資産が減った」と答えたマス富裕層には国内株式が人気)。しかし、国内の定期預金や日本国債などへの志向も根強く、安定的な資産運用への意識の強さも垣間見れる結果となっている。
提供:モーニングスター社
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