大和住銀の「日本再始動ファンド」――収益構造改革、独自の成長要因、外部環境変化への対応力が注目点

 大和住銀投信投資顧問は5月22日に「日本再始動ファンド」(追加型/国内/株式)の設定・運用を開始した。同ファンドは日本株が主要な投資対象。世界的な株式市場の底打ちもあり、当初募集期間中(5月7日から22日)には285億円を集めるなど市場関係者の話題を集めた。6月8日時点の純資産総額も316億円まで拡大するなど堅調に推移している。年2回決算(5月21日、11月21日)。販売会社は大和証券。
 「日本再始動ファンド」は、日本の上場株式のなかから、割安な水準かつ投資魅力の高いと判断される銘柄に投資する。投資対象の「再始動銘柄」の選別については、業績動向や財務内容、株価水準などを勘案し、株価の上昇力が高いとみられる銘柄を選別する。具体的なポイントとしては、(1)リストラなどによる損益分岐点の引き下げや事業再編などの収益構造改革が進んでいる企業(2)中国などの海外向け輸出や、成長期待の高い新商品や技術など、売上を伸ばす独自の要因を持つ企業(3)為替水準や原材料価格、政府の経済対策といった外部環境変化のメリットを享受できる企業――を挙げている。
 ポートフォリオは70銘柄から120銘柄程度で構成する予定。現状は110銘柄程度となっており、やや組み入れ銘柄数が多くなっている。これは、足元「調整幅が大きかったことから小型株に強気であり、妙味があるとみている」(株式運用部 市場運用グループ)ことが背景にある。現状、株価のバリュエーションを計る指標としてPBRが一番よいとの見方で銘柄を分類した場合、大型株ではすでにPBRが1倍以上に上昇している銘柄が多くなっている半面、中小型ではまだ1倍割れの水準の銘柄も散見されるなど「出遅れ」銘柄もあるという。また、株式市場の全般的な戻りが期待できる場面では、一般的に中小型株のパフォーマンスが大型株のパフォーマンスに勝るとされている点にも注目している。モデルポートフォリオの業種配分では、TOPIX対比で化学や機械などが多く組み入れられる予定で、電気機器や輸送用機器も小幅のオーバーウエートとなっている。
 一方、調査体制はアナリストが18人と充実。なかでも中小型株のアナリストが3人所属するなど、中小型株の調査が充実している。また、コーポレート・アナリストも1人所属しており、コーポレート・ガバナンスの観点から企業の状態を調査するなど、より多角的な視点で企業調査を行っている。
 日経平均株価が10日に一時1万円台回復を目前とするなど、株価は大きく上昇してきたが、投資家の目線は09年4−6月期決算に移ってきている。日本企業の業績については、「会社の業績は事前の会社予想(前年比)よりはおおむね良さそうだ。電気機器は特に注目できる」(同)という。今期(10年3月期)の会社予想が出始めた3月時点で先行き見通しがかなり悪かったため、会社計画自体が厳しいものになったことに加え、企業側が大幅な在庫調整を行ったことなどが影響しているという。ただ、株価水準自体は09年4−6月期決算の内容をいったん織り込みにかかっている可能性も指摘されており、今後は「来期以降の業績の伸びを示すことができるかがポイント」(同)との見方だ。

主な購入費用など
購入単位、コース:10万口(円)以上1口(円)単位、「分配金再投資コース」と「分配金支払いコース」の2コース
申込手数料(税込み、上限):3.15%
信託報酬率(税込み、年):1.596%
信託財産留保額:なし
提供:モーニングスター社
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