「SGアラブ株式ファンド」運用のソシエテジェネラルAM、基準価格上昇は原油価格上昇大きいと(1)

 原油先物価格が09年2月を底に回復基調を強めているのと歩調を合わせ、中東地域の株式に投資するファンドの純資産額が増加してきている。
 モーニングスターの調査で、同地域を中心に投資するファンドの純資産額の合計は09年6月末現在、09年1月末比16.72%増となっており、6カ月間のトータルリターンは平均で24.21%となっている。
 中東地域を中心に投資するファンドのなかでも、日本の公募投信ではソシエテジェネラルアセットマネジメントの「SGアラブ株式ファンド」(追加型/海外/株式)<2008013107>、「SG中東株式ファンド」(追加型/海外/株式)<2008061901>の合計で329億4600万円となり、運用資産残高が最大規模となっている(2009年6月末基準)。

 ソシエテジェネラルAMに、中東経済の今後の見通し、同社が運用する「SGアラブ株式ファンド」の近況について聞いた。
 「SGアラブ株式ファンド」は昨年1月に設定・運用を開始。
 湾岸協力会議諸国(GCC諸国=サウジアラビア、クウェート、アラブ首長国連邦、バーレーン、カタール、オマーンの6カ国)を8割程度、それ以外の地域で2割(現在はエジプトが中心)の投資を行う。組み入れ業種では銀行が28.3%、資本財が10.8%と上位を占めている(5月29日現在)。国別では足元、サウジアラビアの組み入れ比率が29.9%で1位となっている。

 ソシエテジェネラルAMでは、直近の「SGアラブ株式ファンド」も含めた中東地域に投資するファンドの基準価格が上昇してきている背景について、「やはり原油価格の回復が大きい」(グローバル株式部)と考えている。
 設定当初は中東地域における巨額のインフラ投資プロジェクト、外資の積極的導入による金融やサービスなどの産業の成長に注目をしており、エネルギー関係を中心とした投資は行っていなかったため、このファンドの基準価格の値動きと原油価格は連動性は高くないと想定。7月をピークに原油先物価格が下落に転じたあと、直後の8月、9月は比較的大きな下落とはならなかったという。
 ただ、SEC(米証券取引委員会)による空売り規制で金融株売り・原油先物買いの巻き戻しが起こり、9月のリーマン・ショック発生でリスク資産からのマネーの避難が起こったことで、基準価格は大きく下落した。08年8月末から09年1月末までの同ファンドの基準価格の下落率は65.7%となった。一方、2月以降は世界の金融市場が安定を取り戻しつつあることや、原油先物価格が上昇に転じたこともあり、基準価格は上昇に転じている。
提供:モーニングスター社
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