米運用会社ルーミス・セイレスのバランス型ファンド好調、ベテラン運用者が「ベストアイデア提供」
世界経済の先行き不透明感が強まり厳しい投資環境が続くなか、米資産運用会社ルーミス・セイレスが運用する米国籍のバランス型ファンド「グローバル・エクイティ・アンド・インカム・ファンド」のパフォーマンスが好調だ。同ファンドは国内外の株式・債券を投資対象として、過去1年のリターンは21.96%で米モーニングスターのカテゴリー分類で468本中12位と上位にランクイン。過去10年でも年率リターンは11.66%と、カテゴリー内で上位5%に入る。
ルーミスは現在、同ファンドを日本で国内投信として設定することを視野に運用会社と交渉をしている。このほど、同ファンドの株式ポートフォリオの運用を担当するウォーレン・クーンツ氏が来日。株式運用の話を中心に、長期にわたり高リターンを達成し続ける同ファンドの投資戦略を語った。
<徹底調査で有望銘柄発掘、逆張りに強み>
同ファンドは1996年に設定され、純資産額は9月末時点で9億2570万ドル(約750億円)。ポートフォリオマネジャーはクーンツ氏含む3人体制で、50年以上のキャリアを誇りベテラン債券投資家として有名なルーミス副会長のダニエル・ファス氏が米国の債券を中心に運用するなど、長年経験を積んだ運用者が各資産について「ベストアイデアを提供する」(クーンツ氏)のが強みだ。
また、クーンツ氏が「当社をけん引するのはリサーチ(調査)」と述べるように、ルーミスは徹底した調査を行うことで優れたパフォーマンスを実現。12年における同社の株式・債券の調査費用は7000万ドル(約57億円)に達し、129人が調査関連業務に従事している。同ファンドのポートフォリオ構築は銘柄を業績などの分析により個別にピックアップしていくボトムアップ手法で行われ、4300以上の銘柄候補から定性・定量的分析により45−65銘柄まで厳選する。
ルーミスは逆張り投資が持ち味で、株価が適正価値を下回るタイミングを計り投資する。例えば年明けにかけて米国で大型減税の失効と歳出の強制削減が重なる「財政の崖」をめぐってはマーケットの混乱が予想されるが、事態が解決に向かえば株価の反発が期待できるといい、売られ過ぎた銘柄を安く買うチャンスと同社はみている。
<アップルにいち早く投資、新興国も注目>
同ファンドは、株価が今年700ドル超まで上昇したアップル株を100ドル近辺のときに購入するなど、有望株をいち早く見抜く先見性の高さは注目に値するだろう。クーンツ氏は株式ポートフォリオの一時5%近くを占めたアップルについて、株価が潜在価値に近づいたことなどから一部売却し、直近では2.9%まで引き下げ次の買い好機を狙っているとする。
米企業業績は7−9月期決算を見る限り悪化傾向にある。ただ、「財務状況は非常に良好」とクーンツ氏。ルーミスは株式の銘柄選定において、得意とする債券分析の手法を持ち込み企業の信用力も加味するなど多角的に企業を評価している。
新興国も注目の投資対象だが、成長期待が高いといっても選別投資は必須とクーンツ氏は話す。同氏が例として挙げたのがブラジル。景気悪化にあえぐ中国が輸出先のブラジル企業は要警戒とする一方、「サッカーワールドカップや五輪開催に伴うインフラ建設、中間層拡大の恩恵を受ける企業に魅力がある」とした。
提供:モーニングスター社
ルーミスは現在、同ファンドを日本で国内投信として設定することを視野に運用会社と交渉をしている。このほど、同ファンドの株式ポートフォリオの運用を担当するウォーレン・クーンツ氏が来日。株式運用の話を中心に、長期にわたり高リターンを達成し続ける同ファンドの投資戦略を語った。
<徹底調査で有望銘柄発掘、逆張りに強み>
同ファンドは1996年に設定され、純資産額は9月末時点で9億2570万ドル(約750億円)。ポートフォリオマネジャーはクーンツ氏含む3人体制で、50年以上のキャリアを誇りベテラン債券投資家として有名なルーミス副会長のダニエル・ファス氏が米国の債券を中心に運用するなど、長年経験を積んだ運用者が各資産について「ベストアイデアを提供する」(クーンツ氏)のが強みだ。
また、クーンツ氏が「当社をけん引するのはリサーチ(調査)」と述べるように、ルーミスは徹底した調査を行うことで優れたパフォーマンスを実現。12年における同社の株式・債券の調査費用は7000万ドル(約57億円)に達し、129人が調査関連業務に従事している。同ファンドのポートフォリオ構築は銘柄を業績などの分析により個別にピックアップしていくボトムアップ手法で行われ、4300以上の銘柄候補から定性・定量的分析により45−65銘柄まで厳選する。
ルーミスは逆張り投資が持ち味で、株価が適正価値を下回るタイミングを計り投資する。例えば年明けにかけて米国で大型減税の失効と歳出の強制削減が重なる「財政の崖」をめぐってはマーケットの混乱が予想されるが、事態が解決に向かえば株価の反発が期待できるといい、売られ過ぎた銘柄を安く買うチャンスと同社はみている。
<アップルにいち早く投資、新興国も注目>
同ファンドは、株価が今年700ドル超まで上昇したアップル株を100ドル近辺のときに購入するなど、有望株をいち早く見抜く先見性の高さは注目に値するだろう。クーンツ氏は株式ポートフォリオの一時5%近くを占めたアップルについて、株価が潜在価値に近づいたことなどから一部売却し、直近では2.9%まで引き下げ次の買い好機を狙っているとする。
米企業業績は7−9月期決算を見る限り悪化傾向にある。ただ、「財務状況は非常に良好」とクーンツ氏。ルーミスは株式の銘柄選定において、得意とする債券分析の手法を持ち込み企業の信用力も加味するなど多角的に企業を評価している。
新興国も注目の投資対象だが、成長期待が高いといっても選別投資は必須とクーンツ氏は話す。同氏が例として挙げたのがブラジル。景気悪化にあえぐ中国が輸出先のブラジル企業は要警戒とする一方、「サッカーワールドカップや五輪開催に伴うインフラ建設、中間層拡大の恩恵を受ける企業に魅力がある」とした。
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