13年投信業界、売れ筋ファンドは「二極化」=ドイチェ・藤原氏

 ドイチェ・アセット・マネジメントはこのほど報道関係者向け勉強会を開催し、ファイナンシャル・ストラテジストの藤原延介氏が投信業界の動向や13年の見通しについて説明した。同氏は投信販売の現状について、高い分配金が期待される通貨選択型やオプションを利用したカバードコール戦略のファンドを選ぶ動きが目立つ一方、安定的な値動きを求めてヘッジ付外債ファンドに投資する動きが顕著だとして、「こうした二極化は今後も続く」と指摘。12年は特にカバードコール戦略とヘッジ付外債ファンドの純資産残高増加額がいずれも約1兆5000億円と大幅に増えており注目されるとした。

 ヘッジ付外債ファンドへの資金流入トレンドは昨年11月以降の円安進行にもかかわらず変わっておらず、為替リスクを回避したいニーズは根強いとしている。販売面では地銀が品ぞろえを強化しており、ヘッジ付外債ファンドで成功した大手地銀を中心に、円で運用したい投資家の需要を取り込もうとする動きが広がっていると藤原氏は説明。一方、ヘッジなしの外債ファンドは豪ドルが大きく値上がりするなか、豪ドル建て商品で利益確定の解約が増えているという。

 また、昨年も通貨選択型が根強い人気を誇ったものの、「残高の多いファンドは分配金の引き下げが解約増加につながった」(同氏)。ファンドによっては分配金引き下げの翌日から大きな解約が見られたとされ、分配金の払い出しニーズに応えることは引き続き重要とする。

 通貨選択型は信託期間を5年とするものが多いが、運用会社は一定の残高があるファンドを終わらせないため、ブームが始まった09年設定のファンドについて今年は信託期間を延長する動きが相次ぐと予想されるという。通貨選択型に対する販売規制の影響で新規設定は減少するものの、既存シリーズの活用に加え、通貨を分散する動きからトルコリラなど高金利通貨のコース、または機動的に通貨を切り替える通貨戦略型コースの市場拡大が見込まれるとした。
提供:モーニングスター社
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