どう選んだらいいの?

投資信託を選ぶポイントを教えて!

 現在、運用されている投資信託は約4,000本。その種類もさまざまです。そのような中から自分に合う投資信託を選ぶのはなかなか大変なことです。そこで投資信託を選ぶ基本的なポイントをあげてみました。

ステップ1.自分にあった投資信託のタイプを決定します。
ステップ2.次に、そのタイプのなかから、投資信託を選択します。
ステップ1.目標を決め、大まかに投資信託のタイプを決めましょう。

 投資信託を買う前に、あらかじめ、みなさんの投資目標を決めておきましょう。教育資金なのか老後の準備金なのか、その目的によって必要とする金額は異なってきますし、運用の安全性の程度も変わってきます。

 投資信託の運用対象はさまざまです。国内の株式や債券以外にも海外の株式や債券などで運用する投資信託があります。また、それらを組み合わせた運用も可能です。そのため、投資信託を通じてさまざまな運用目標に対応することができます。中核となる投資信託として「日本株式型」、「日本債券型」、「外国株式型」、「外国債券型」の4タイプを持つことをおすすめします。

ステップ2.同じタイプのなかから投資信託を選択します。

 つぎに、具体的な投資信託を選びましょう。選ぶときには次の6つのポイントを確認します。

チェックポイント
 □ 運用成績
 □ コスト(費用)
 □ 純資産残高
 □ 残りの運用期間
 □ 売買回転率
 □ 運用する人(ファンドマネジャー)
1.運用成績
(1)3年以上の運用状況を確認する
 運用成績を見るとき気を付けなければならないのは、設定されてから3年たっていない投資信託です。運用成績を比べるには、その期間が3年未満では十分な判断ができません。たまたま、その時の市況が良かったからかもしれないからです。このため運用成績を比較する場合は、最低でも3年、できれば5年以上の運用状況を確認するようにしましょう。
(2)ベンチマークや似ているファンドと比較する
 また、運用成績を見るときは、何%上がった、下がったという収益率のほかに、ベンチマークや似ている投資信託との比較もおおいに参考になります。たいていの投資信託は、その投資信託の成績を比べるための指数(これをベンチマークといいます)が設定されています。指数は、その投資信託が投資している市場全体の動きを表しており、この収益率よりも高いか低いかで市場全体よりも運用が良かったか悪かったかがわかります。また、似たような投資信託(ライバルファンド)の運用成績と比べることでも、その投資信託を運用するファンドマネジャーの腕がわかります。
(3)投資信託の値動きの大きさもチェックしましょう
 結果が良すぎる投資信託は、その分リスクを大きくとって運用している可能性があります。投資信託の値動きの大きさは「標準偏差」でチェックできます。数値の大きい投資信託ほど値動きが大きい投資信託であるといえます。値動きが大きい投資信託は、長期的に安定した高い収益が出せない可能性が高いと判断されます。小さいリスクで大きなリターンがベストです。
2.コスト(費用)

 投資信託は買ったとき、売ったとき、そして持っている間にも費用がかかります。どのタイミングで費用が高く設定されているかは投資信託ごとに異なるため、注意が必要です。買ったときの手数料が無料でも、解約時に高い手数料がかかったということでは、なんのために安い手数料の投資信託を探したのかわからなくなってしまいます。そこで、購入前に買ってから売るまでにかかる費用を比較することが重要です。
 投資信託にかかる費用としては、「販売手数料」、「信託報酬」、「信託財産留保額」、「有価証券売買手数料」「税金」などがありますが、なかでも「販売手数料」と「信託報酬」は投資信託の二大コストといわれており、特に注意が必要です。

投信の二大コスト
販売手数料:商品説明や投資相談の対価としてみなさんが販売会社に対して支払います。
信託報酬:運用の対価として「運用会社」に、資産の管理の対価として「信託銀行」に、解約や分配金の支払いなど事務管理の対価として「販売会社」に、みなさんが支払います。

 一般的に投資信託の費用は債券型より株式型が高く、指数に連動する「インデックス型」より運用成績がファンドマネジャーの手腕にかかっている「アクティブ型」の方が高い傾向にあります。このため同じタイプの投資信託との比較が重要です。
 また、販売手数料は買う販売会社によって異なるため、販売会社に出向く前に調べておきましょう。運用会社やウエルスアドバイザーのホームページで確認するとよいでしょう。

3.純資産残高

 純資産残高はみなさんの投資した資金の合計、つまり、投資信託の規模を示しています。投資信託を安定的に運用していくためには、ある程度以上の規模が必要です。規模が小さいと多くの銘柄に資金を振り分けることができず、分散効果が小さくなったり、資金の出入りの影響も大きく受けるため効率的な運用ができなくなることもあります。
 通常、純資産残高は30億円以上あったほうが安心できるといえます。さらに10億円を下回るようなら繰り上げ償還(途中で運用中止)の可能性も高まりますので注意が必要です。運用会社やウエルスアドバイザーのホームページで確認できます。

4.残りの運用期間

 投資信託を購入する際、運用が開始されてからの期間と残りの運用期間を確認しておきましょう。運用してから3年が経過していない投資信託は、運用成績の比較が困難です。また、残りの運用期間が短い場合、運用がおろそかになる恐れがあります。できれば無期限もしくは残った運用期間の長い投資信託で運用することが望ましいでしょう。投資信託説明書で確認できます。

5.売買回転率

 売買回転率とは、投資信託に組み入れている株式や債券を売ったり買ったりする頻度を表す指標です。売買回転率が低ければリスクを抑える傾向にある投資信託、高ければ積極的にリスクを取りにいく傾向のある投資信託といえます。売買すればコストが増え運用成績が悪化しますので、この数値は低い方が望ましいといえます。直近の運用報告書で確認しましょう。

6.運用する人(ファンドマネジャー)

 ファンドマネジャーが変われば、その投資信託に対する考え方や運用が変わる可能性があります。安定運用の面からファンドマネジャーの変更は望ましいことではありません。なお、ファンドマネジャーの運用経験年数もできれば確認しておきたいポイントです。5年以上の運用経験年数が望まれます。

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