現在、運用されている投資信託は約4,000本。その種類もさまざまです。そのような中から自分に合う投資信託を選ぶのはなかなか大変なことです。そこで投資信託を選ぶ基本的なポイントをあげてみました。
投資信託を買う前に、あらかじめ、みなさんの投資目標を決めておきましょう。教育資金なのか老後の準備金なのか、その目的によって必要とする金額は異なってきますし、運用の安全性の程度も変わってきます。
投資信託の運用対象はさまざまです。国内の株式や債券以外にも海外の株式や債券などで運用する投資信託があります。また、それらを組み合わせた運用も可能です。そのため、投資信託を通じてさまざまな運用目標に対応することができます。中核となる投資信託として「日本株式型」、「日本債券型」、「外国株式型」、「外国債券型」の4タイプを持つことをおすすめします。
つぎに、具体的な投資信託を選びましょう。選ぶときには次の6つのポイントを確認します。
投資信託は買ったとき、売ったとき、そして持っている間にも費用がかかります。どのタイミングで費用が高く設定されているかは投資信託ごとに異なるため、注意が必要です。買ったときの手数料が無料でも、解約時に高い手数料がかかったということでは、なんのために安い手数料の投資信託を探したのかわからなくなってしまいます。そこで、購入前に買ってから売るまでにかかる費用を比較することが重要です。
投資信託にかかる費用としては、「販売手数料」、「信託報酬」、「信託財産留保額」、「有価証券売買手数料」「税金」などがありますが、なかでも「販売手数料」と「信託報酬」は投資信託の二大コストといわれており、特に注意が必要です。
一般的に投資信託の費用は債券型より株式型が高く、指数に連動する「インデックス型」より運用成績がファンドマネジャーの手腕にかかっている「アクティブ型」の方が高い傾向にあります。このため同じタイプの投資信託との比較が重要です。
また、販売手数料は買う販売会社によって異なるため、販売会社に出向く前に調べておきましょう。運用会社やウエルスアドバイザーのホームページで確認するとよいでしょう。
純資産残高はみなさんの投資した資金の合計、つまり、投資信託の規模を示しています。投資信託を安定的に運用していくためには、ある程度以上の規模が必要です。規模が小さいと多くの銘柄に資金を振り分けることができず、分散効果が小さくなったり、資金の出入りの影響も大きく受けるため効率的な運用ができなくなることもあります。
通常、純資産残高は30億円以上あったほうが安心できるといえます。さらに10億円を下回るようなら繰り上げ償還(途中で運用中止)の可能性も高まりますので注意が必要です。運用会社やウエルスアドバイザーのホームページで確認できます。
投資信託を購入する際、運用が開始されてからの期間と残りの運用期間を確認しておきましょう。運用してから3年が経過していない投資信託は、運用成績の比較が困難です。また、残りの運用期間が短い場合、運用がおろそかになる恐れがあります。できれば無期限もしくは残った運用期間の長い投資信託で運用することが望ましいでしょう。投資信託説明書で確認できます。
売買回転率とは、投資信託に組み入れている株式や債券を売ったり買ったりする頻度を表す指標です。売買回転率が低ければリスクを抑える傾向にある投資信託、高ければ積極的にリスクを取りにいく傾向のある投資信託といえます。売買すればコストが増え運用成績が悪化しますので、この数値は低い方が望ましいといえます。直近の運用報告書で確認しましょう。
ファンドマネジャーが変われば、その投資信託に対する考え方や運用が変わる可能性があります。安定運用の面からファンドマネジャーの変更は望ましいことではありません。なお、ファンドマネジャーの運用経験年数もできれば確認しておきたいポイントです。5年以上の運用経験年数が望まれます。
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