どう選んだらいいの?

自分に最適な資産配分ってどういうこと? どうすれば判るの?

 みなさんがお金を運用するとき、その株式が儲かるかどうか、どの投資信託の分配金が多いかなど、一つの商品を選択することばかりに目を向けていませんか?

 実は、どの投資信託で運用するかよりも、資産全体において、どの資産にどの程度振り分けるかという「資産配分」の方が、資産運用においては重要なのです。「資産配分」を作った時点でその投資が成功するか失敗するかの大半が決まるとさえいわれるくらいです。では、どのように「資産配分」を決めればいいのでしょうか。

資産配分する前に

 ステップ1.みなさんのライフプランを作成します
 ステップ2.1をもとに必要な資産残高の推移を考えます
 ステップ3.2をもとに必要となる運用利回り(何%で運用したらいいか)を決めます
 ステップ4.3から資産配分を決めます

 まず、1.みなさんの収入、支出、年齢、趣味、家族構成などからライフプランを作成します。自分の今後の人生におけるイベントを書き出してみましょう。その際、教育、住宅購入、老後生活の三大資金をはじめ、結婚や出産などの資金なども想定してみます。

2.そして、何年後にいくら必要なのかを考えます。

 次に3.このライフプランを実現するために必要とする「運用利回り」を計算します。「運用利回り」は現在あるお金を将来決まった金額にするために必要な運用目標になります。複雑な計算となりますので、ウエルスアドバイザーの「金融電卓」を利用しましょう。


 さて、仮にみなさんが今持っているお金を年率5%で運用すると決めたとします。ところが年率10%以上で運用される商品で運用したとするとどうなるでしょう。高い利益が出るならそれに越したことないと思うかもしれませんが、一般に、収益の高い商品は「リスク」も高い(値動きのブレの大きい)商品と考えられます。高い収益性の商品に投資した資金はそれだけ危険にさらされることになるわけです。5%の運用でライフプランを実現することが出来れば、あえて10%の運用をしてリスクをとる必要もないでしょう。

運用利回りを決定することが、その人の最適な資産配分につながります。
資産配分の意義を考えよう

 ここで、複数の資産に「資産配分」する意義を考えておきましょう。株式や債券にはそれぞれ値動きの特徴があります。一般的に債券より株式が、日本よりも海外の資産の方が、リスクが高くなる傾向にあります。これらの資産を組み合わせて運用することでリスクやリターンを自由自在に変化させることができます。

●各資産を組み合わせると、どうなるの?
 下の図表は、3年間の各資産の値動きを表したものです。「収益率」は3年前と現在の変化率(年率)、「値動きの幅」は3年間の値動きの大きさを表しています(これを「標準偏差」といい、数値が大きければ大きいほど値動きが大きいことを表します。詳しくは関連ページをご覧ください)。
 各資産を組み合わせることで収益率と値動きの幅が変化します。どのように変化したかを見てみましょう。
各資産を組み合わせた場合の収益率と値動きの幅(年率)
  日本株式 日本債券 外国債券 日本株式:日本債券
30:70 50:50 70:30
収益率 18% 1% 10% 6% 9% 13%
値動きの幅 14% 2% 6% 4% 7% 9%
 また、株式の組入比率を高めるほど、収益率が高まっていることがわかります。日本株式30%(日本株式:日本債券=30:70のケース)では収益率は6%、日本株式を50%(日本株式:日本債券=50:50のケース)まで引き上げると9%、更に70%(日本株式:日本債券=70:30のケース)まで引き上げると13%の収益率が期待できます。
 一方、値動きの幅は上昇していることにも注意しましょう。株式30%(日本株式:日本債券=30:70のケース)の組入れでは4%の値動きの幅が、株式50%(日本株式:日本債券=50:50のケース)では7%へ、株式70%(日本株式:日本債券=70:30のケース)では9%へ値動きの幅は上昇しました。
●リスクって何?
 「リスク」とは、日本語で「危険」と訳されますが、資産運用においては価格の変動の大きさを指し、「標準偏差」という数値で表します。「各資産を組み合わせると、どうなるの?」では、日本株式の「値動きの幅」が14%と表示されていますが、これが「標準偏差」と呼ばれる指標です。これは平均的な収益率から年間マイナス14%からプラス14%まで変動する確率が3分の2程度(約68%)あることを示します。
資産配分をキープしよう

 さて、「資産配分」どおり、複数の資産を組み合わせたとしましょう。ところが、みなさんが一生懸命決めたこの「資産配分」は、そのままにしておくとどんどん変わっていってしまいます。なぜなら、株式投資信託や公社債投資信託は日々値動きしているからです。株式の値段が他の資産以上に値上がりすれば、株式の比率は高まりますし、逆に値下がりすれば、比率は低くなります。

 このような「資産配分」の比率を、もとの比率に戻すことを「リバランス」といいます。つまり、増えた資産を売って、減った資産を買い増すのです。「リバランス」は、みなさんの当初の運用目的に合わせるために重要な作業ですが、それ以外にも収益性を高める効果があるといわれています。株式市場や債券市場など、市場全般は日々上がったり下がったりを繰り返します。本来、投資とは、安い時に買い、高い時に売ることが好ましいのですが、これは投資のプロでも難しいことです。このような相場で「リバランス」は自動的に高い資産を売って利益を確定し、安い資産を買って値上がりを待つため、収益性が高まるのです。ただ、リバランスを行なうということは、売り買いが伴うため、手数料や手間がかかります。そのため、頻繁に行なうことはよくありません。

どうしても面倒な場合は

 そうはいっても、やはりそんなに手間がかかるのは嫌!という人もいるでしょう。投資信託のなかには、バランス型ファンドといって株式や債券、REITなど複数の資産を固定配分で組み入れている投資信託があります(固定配分でない投資信託もあるので、投資信託説明書で投資方針を確認しましょう)。このタイプは、プロ(ファンドマネジャー)の手によって「リバランス」が行われるため、わずらわしい管理が必要なくなります。

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