米モーニングスターは１５日、１３年に優れた運用成績を上げたファンドマネジャーを表彰する「２０１３・モーニングスター・ファンドマネジャー・オブ・ザ・イヤー」を発表した。同賞は「国内株式」「国際株式」「債券」「アロケーション（日本のバランス型に相当）」「オルタナティブ」の５部門において、定量・定性面から優秀なファンドマネジャーを選定するもので、１３年のみならず長期のリスク調整後リターンが良好なファンドが多く受賞した。各カテゴリーの受賞ファンドマネジャーと運用ファンドの詳細は以下の通り。

＜国内株式＞
受賞ファンドマネジャー：デニス・リンチ（Ｄｅｎｎｉｓ　Ｌｙｎｃｈ）氏および運用チーム
運用ファンド：Ｍｏｒｇａｎ　Ｓｔａｎｌｅｙ　Ｉｎｓｔｉｔｕｔｉｏｎａｌ　Ｇｒｏｗｔｈ（ＭＳＥＱＸ）
２０１３年リターン：４８．６％／カテゴリーリターン順位：１
モーニングスターアナリストレーティング：ゴールド（５段階中で最上位）
米モーニングスターアナリストコメント：個別銘柄選択が奏功。フェイスブックやグルーポンなど低迷していた銘柄をピックアップし、その後これらの銘柄の大幅反発でパフォーマンスが改善した。

＜国際株式＞
受賞ファンドマネジャー：デイビッド・サムラ（Ｄａｖｉｄ　Ｓａｍｒａ）氏およびダニエル・オキーフ（Ｄａｎｉｅｌ　Ｏ’Ｋｅｅｆｅ）氏
運用ファンド：Ａｒｔｉｓａｎ　Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ　Ｖａｌｕｅ（ＡＲＴＫＸ）
２０１３年リターン：３０．５％／カテゴリーリターン順位：１
モーニングスターアナリストレーティング：ゴールド（５段階中で最上位）
米モーニングスターアナリストコメント：リーマン・ショックがあった２００８年も「ファンドマネジャー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。下落局面だけでなく、２０１３年のような上昇相場でも良好なパフォーマンスを挙げた点は注目に値する。

＜債券＞
受賞ファンドマネジャー：ダニエル・イバシン（Ｄａｎｉｅｌ　Ｉｖａｓｃｙｎ）氏およびアルフレッド・ムラータ（Ａｌｆｒｅｄ　Ｍｕｒａｔａ）氏
運用ファンド：ＰＩＭＣＯ　Ｉｎｃｏｍｅ（ＰＩＭＩＸ）
２０１３年リターン：４．８％／カテゴリーリターン順位：１８
モーニングスターアナリストレーティング：シルバー（５段階中で４番目に高い評価）
米モーニングスターアナリストコメント：エージェンシーおよび非エージェンシーＭＢＳ（不動産担保証券）、社債、通貨の銘柄選別がパフォーマンスを改善。レバレッジの使用に慎重となる一方、デュレーションの短いＭＢＳやスワップなどの活用が奏功した。

＜アロケーション＞
受賞ファンドマネジャー：スティーブ・ロミック（Ｓｔｅｖｅｎ　Ｒｏｍｉｃｋ）氏、マーク・ランデッカー（Ｍａｒｋ　Ｌａｎｄｅｃｋｅｒ）氏、ブライアン・セルモ（Ｂｒｉａｎ　Ｓｅｌｍｏ）氏
運用ファンド：ＦＰＡ　Ｃｒｅｓｃｅｎｔ（ＦＰＡＣＸ）
２０１３年リターン：２１．９％／カテゴリーリターン順位：６
モーニングスターアナリストレーティング：ゴールド（５段階中で最上位）
米モーニングスターアナリストコメント：多くのバランス型ファンドが株式の比率を高水準とすることでパフォーマンスを向上させる中、当ファンドは逆に株式の比率は６０％以下に抑えており、むしろ銘柄選別により高いリターンを上げた点は注目される。

＜オルタナティブ＞
受賞ファンドマネジャー：ブライアン・ハースト（Ｂｒｉａｎ　Ｈｕｒｓｔ）氏およびヤオ・フア・オーイ（Ｙａｏ　Ｈｕａ　Ｏｏｉ）氏
運用ファンド：ＡＱＲ　Ｍａｎａｇｅｄ　Ｆｕｔｕｒｅｓ（ＡＱＭＩＸ）
２０１３年リターン：９．４％／カテゴリーリターン順位：６
モーニングスターアナリストレーティング：シルバー（５段階中で４番目に高い評価）
米モーニングスターアナリストコメント：マネージドフューチャー戦略を採用する多くのファンドは債券とコモディティに集中することが多いが、当ファンドは株式や為替も含めたロング・ショートを用い、長期のトレンドも加味するなど優れた運用を行っている。

　＊カテゴリーリターン順位（パーセンタイルランク）はファンドのリターンがカテゴリー内で上位何％以内に位置するかを示す。
提供：モーニングスター社