品ぞろえと対話を重視した「eMAXIS」が初の1000億円突破

 8月11日に、三菱UFJ投信の「eMAXIS(イーマクシス)」シリーズ(以下、eMAXIS)の純資産総額が1010億円となった。日本のインデックスファンドシリーズとして、1000億円を突破するのは初めて。eMAXISは投資家が運用コストを抑えた多彩な15本のラインアップのなかから自由にファンドを選ぶことができる。

 14年はすでに7月末時点までで240億円以上の純資金流入(推計値)と、設定(09年)以降の年間の純流入合計額では最も多かった11年の約140億円を大きく上回っており、ハイペースでの資金流入が継続している。こうした人気の背景の一つとして、「全世界株式(除く日本)」「新興国リート」「波乗り型」など、他社のインデックスファンドシリーズにはない商品ラインアップの充実が挙げられる。

 また、ホームページ上では、ポートフォリオの構築や運用プランの計算などに便利なツールやコンテンツがそろっているほか、ブロガーと意見交換をする「ブロガーミーティング」を実施し、その内容を公開するなど、投資家との「対話」も重視しており、こうした地道な取り組みも投資家からの支持を集める一因となっている。販売会社もネット専用チャネルから地方銀行などへと拡大中で、知名度、人気ともに全国区となりつつあることから、今後もさらなる資金の流入が期待される。

 一方で、グローバルでみると日本のインデックスファンドはまだまだ発展途上だ。インデックスファンドの日米の6月末時点における純資産総額を比較すると、国内の公募追加型株式投信(ETF除く)の5.6兆円に対して、米国のオープンエンドファンドの(MMF、ETF、ファンド・オブ・ファンズを除く)は2.0兆ドル(約209兆円)と、米国が日本の約37倍となっている。今後は、日本でもNISAの開始を受けて投資家のすそ野が広がることが期待されるなか、米国同様にコストの安い「eMAXIS(イーマクシス)」シリーズのようなインデックスファンドに一段と注目が集まる可能性がある。
提供:モーニングスター社
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