「コモディティ市場の強気続く」――ETFセキュリティーズ講演会でジム・ロジャーズ氏語る

 ETFセキュリティーズは10月26日、著名投資家のジム・ロジャーズ氏を招き、「激動する世界と商品投資」をテーマとした講演会を主催した。

 講演のなかで、ジム・ロジャーズ氏はコモディティ市場の強気相場がこれからも続くという見通しを語った。ETFセキュリティーズは2009年10月時点で、商品ETF(上場投資信託)で世界2位となる150億ドル超の運用資産残高を保持するETFプロバイダーである。2009年8月には、日本でも貴金属商品ETF5本(ETFS貴金属バスケット上場投信<貴金属バスケットETF>など)を上場させている。

 ジム・ロジャーズ氏は長期的に、中国に代表される新興国の経済成長が続く一方で、原油などの第一次産品の供給量が減少していることを指摘した。実際に、かつて原油の輸出国であったインドネシアやマレーシアはすでに輸入国に転じたことなどを例に挙げ、新興国でも原油を輸入している現状を紹介した。

 日本への投資については、日本経済自体でみると日本の出生率が上がらないと大変厳しい状況となると主張した。ただ、日本企業の業績見通しについては良いのではないかという見方を示した。日本の輸出の45%はアジア向けになっていること、アジアに多くの工場を保有している点が背景にあるという。外為市場についても、アメリカからドルを買わなければ、今後、円は強くなるとの見方を示した。理由としては、1つは巨大な債権国であるということ、円キャリートレードが終わったことなどを挙げた。
提供:モーニングスター社
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