日本に上陸したバランス型ファンド、3カ月足らずで1000億円を突破

 三井住友アセットマネジメントの「日興ブラックロック・ハイ・クオリティ・アロケーション・ファンド(為替ヘッジなし)」(以下、同ファンド)<2014062707>の純資産額が17日、設定からわずか3カ月弱で1000億円を突破した。純資産額トップの「野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(米ドルコース)毎月分配型」<2010102802>は1000億円を超えるまでに設定から約2年11カ月を要したほか、「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」<1997121801>でさえ、設定から約7カ月半だったことを考えると、同ファンドは異例の出世スピードと言える。

 これまでバランス型ファンドは資産配分比率がおおむね固定されている「固定資産配分型」が主流であったが、同ファンドは投資環境に応じて機動的に資産配分を変更する「機動的資産配分型」のバランス型ファンド。リーマン・ショックで「固定資産配分型」は軒並み下落し、分散投資は有効ではなかったことから、日本ではバランス型ファンドは敬遠されていたものの、「機動的資産配分型」の同ファンドには順調に資金が集まっている。14年に入ってから同日まで、327本の国内公募追加型株式投信(確定拠出年金専用ファンド、ラップ口座専用ファンド、ETFなどを除く)が新規設定されたが、その中でも同ファンドは最も資金を集めており、同期間で956億円(9月はモーニングスター推計値)の流入超過となっている。

 人気の理由の一つとして、同ファンドの投資先ファンドと類似の運用戦略である「ブラックロック・グローバル・アロケーション・インベストメント」(以下、米国籍同ファンド)が米国で高い評価を受けている点が挙げられる。8月末現在、米モーニングスターから5段階で最も高い定性評価(モーニングスター・アナリスト・レーティング)の「ゴールド」を付与されているファンドは152本あるが、米モーニングスターカテゴリー「世界分散」(日本のバランス型ファンドに相当)からは米国籍同ファンドのみが選ばれている。米国で実績を残したファンドが日本でも投資可能となったことで、分配金の多さだけではなく、運用力が高いファンドの人気化が進む可能性がある。
提供:モーニングスター社
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