売買手数料重視の投信販売が変革するか? ラップ口座の純資産が上昇中
8月のラップ口座専用ファンドの月間資金流入額は1555億円と、2カ月連続で1000億円を超えた。同月末時点の純資産総額は1.7兆円に達しており、過去2年間で4.2倍に拡大した。特に過去1年間では8895億円増加しており、資金流入の加速が目立つ。モーニングスターの推計では、9月16日までで800億円を超えており、3カ月連続の1000億円越えの可能性も高く、今後も継続的な資金流入が期待される状況だ。
一方、8月末時点において、国内公募追加型株式投信(ラップ口座、確定拠出年金向け、ETFなど除く)全体の純資産総額54兆円と比較すると、その規模は3%程度にとどまる。同月末時点では米国のラップ口座向けファンドの純資産総額は3.8兆ドル(約407兆円)と、過去5年間で2倍に増加しており、日米の差はかなり大きい。米国においてラップ口座が普及しているのは、金融商品の販売現場が商品販売重視から総合的なフィナンシャルアドバイスを提供するスタイルに変わっていることが一つの原因である。日本でのラップ口座の本格普及には、銀行や証券会社の販売現場において、商品の販売を通して短期的な収益を追求するための売買手数料重視の営業スタイルから、長期的な資産の拡大を目指した預かり資産残高重視に変わる必要があるだろう。
提供:モーニングスター社
一方、8月末時点において、国内公募追加型株式投信(ラップ口座、確定拠出年金向け、ETFなど除く)全体の純資産総額54兆円と比較すると、その規模は3%程度にとどまる。同月末時点では米国のラップ口座向けファンドの純資産総額は3.8兆ドル(約407兆円)と、過去5年間で2倍に増加しており、日米の差はかなり大きい。米国においてラップ口座が普及しているのは、金融商品の販売現場が商品販売重視から総合的なフィナンシャルアドバイスを提供するスタイルに変わっていることが一つの原因である。日本でのラップ口座の本格普及には、銀行や証券会社の販売現場において、商品の販売を通して短期的な収益を追求するための売買手数料重視の営業スタイルから、長期的な資産の拡大を目指した預かり資産残高重視に変わる必要があるだろう。
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