国内投信は9カ月連続資金流入も、個別ファンド上位に「異変」―9月推計資金流出入

<国内追加型株式投信は9カ月連続の資金流入>

 モーニングスターの独自推計によると、国内追加型株式投信の9月の純資金流出入額(ETF除く)は、4582億円となり、年初から9カ月連続で流入超を記録した。純資金流入額をモーニングスター大分類別で見ると、1位の「国際株式」が3001億円、2位の「国際REIT型」は2144億円と高水準の流入を記録し、全体をけん引した。なお、過去1年の純資金流入額で見ても、「国際株式」が1位(1兆7977億円)、「国際REIT型」は2位(1兆2364億円)という構図は変わらず。9月はダウ工業株30種平均が0.32%下落し、欧州の主要指数もドイツのDAX指数は0.04%高とさえなかったが、外国為替市場において対ドルで円安が6円近く進んだことなどから、海外資産への関心は高まりやすかったと思われる。

<「ドイチェ・高配当インフラ」、6カ月ぶり首位陥落>

 もっとも、個別ファンドで見ると、海外資産のなかでも投資家の物色動向に変化が見られている。純資金流入額で8月まで5カ月連続でトップを維持してきた「ドイチェ・高配当インフラ関連株(米ドル)毎」は406億円にとどまり、4位に順位を落とした。同ファンドは、運用規模が大きくなり過ぎたことから、8月30日以降に買い付け申し込み受け付けを一時停止した影響が出たとみられる。9月8日には申し込み受け付けを再開しており、引き続き多額の資金が流入したが、8月の純資金流入額1738億円に比べれば勢いはない。9月末時点の純資産額は1兆3199億円で国内ファンド(ETF除く)トップだが、2位の「新光 US−REITオープン」との差は154億円しかない。

 「ドイチェ・高配当インフラ関連株(米ドル)毎」に代わって純資金流入額トップになったのが、「ラサール・グローバルREIT(毎月分配型)」で、純資金流入額は592億円だった。同ファンドは8月の純資金流入額が352億円で3位だったが、9月は一段と資金が流入した。純資産額も9月末時点で1兆549億円と、全体で5位になっている。純資産額4位の「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」との差は200億円を切った。

 もう1つの1兆円ファンドである「フィデリティ・USハイ・イールドF」は、9月に475億円の純資金流出となった。同ファンドは8月に8カ月ぶりの純資金流出を記録したが、9月も流出は継続。さらに、純資金流出額は「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」の267億円を上回り、全ファンドのなかで最大となった。高金利を求める投資家の資金の受け皿となってきたハイ・イールド債ファンドだが、全体として資金流入は細っている。「フィデリティ・USハイ・イールドF」が属するモーニングスターカテゴリー「国際債券・ハイイールド債(為替ヘッジなし)」の9月の純資金流入額は119億円と、1年9カ月ぶりの低水準となった。

<流出トップは「国内株式型」、インデックスファンドの流出目立つ>

 純資金流出額を大分類別で見ると、「国内株式型」が2715億円と最大で、それに続く「特殊運用型」の純資金流出額312億円と比べても、際立っている。9月は日経平均株価が4.86%上昇と好調だったが、先高観から購入する動きよりも利益確定の売却が上回ったようだ。実際、日経平均連動型ファンドの純資金流出額が1249億円に上り、個別ファンドの純資金流出額トップ10を見ても、4位に「日経225ノーロードオープン」、6位に「りそな・日経225オープン」、8位に「インデックスファンド225」と日経平均連動型が3本ランクイン。インデックスファンドは値動きの分かりやすさがウリであり、日経平均株価が大幅上昇したタイミングで売却する動きが強まった可能性がある。
提供:モーニングスター社
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