米ハイイールド債券ファンドに資金回帰、10月は5カ月ぶり流入超

 米投信市場でハイイールド債券ファンドに資金が戻っている。ハイイールド債券に投資するオープンエンドファンド(ETF含む、MMF、ファンド・オブ・ファンズ除く)の10月の資金純流入額は34億ドル(約3696億円)となり、5カ月ぶりに資金流入超に転じた。

 ここにきてハイイールド債券ファンドが息を吹き返した理由は、割高感の低下だ。ハイイールド債券は7月にイエレンFRB(米連邦準備制度理事会)議長が過熱感を指摘したことで売り圧力が強まり、その後債券価格は下落(金利は上昇)基調となった。米国10年債利回りに対する上乗せ金利(スプレッド)は6月末の3.25%から10月末の3.97%まで拡大。米投資家は売りが一巡したところで、値ごろ感からハイイールド債券ファンドの購入を再開したとみられる。

 10月にFRBは量的金融緩和の終了を決定したが、利上げは来年半ばとの見方が強く、ハイイールド債券のようなリスク資産にまだ大きな影響はない。ECB(欧州中央銀行)や日銀の追加緩和期待という“援軍”もあり、世界的にリスクを取りやすい状況が続いている。

 もっとも、日本では近年のブームが落ち着き、10月もハイイールド債券ファンドの資金流出が続いた。国内公募追加型株式投信(確定拠出年金専用ファンド、ラップ口座専用ファンド、ETFなどを除く)のうち、モーニングスターカテゴリー「国際債券・ハイイールド債(為替ヘッジなし)/(為替ヘッジあり)」に属するファンドの資金純流出額は382億円と2カ月連続で流出超となった。
提供:モーニングスター社
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