米国現地で20年連続のプラスリターン、ジャナスの「ストラテジック・インカム戦略」とは

 DIAMアセットマネジメントが20日に開催したメディア向けセミナーで、同社の債券戦略運用グループ兼外部委託運用グループ・ファンドマネジャー伊藤英佑氏が今後の米国債券市場についての見通しを述べた。伊藤氏は、金融緩和を継続する欧州や日本と比較して利回りが高いことが米国債の買い要因となるとの考えを示した。ただし、「ハイイールド債には注視が必要」とし、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ時期が不透明であることから、市場参加者の思惑が交錯し、「価格の値動きが拡大しやすくなる」と指摘した。このような環境下では、「どれだけリスクをとるか調整しながら銘柄を選択することが、安定した収益を得るためのかぎとなる」と続けた。

 同社の情報サービスグループ・グループリーダー花村泰廣氏によると、米国では債券ファンドの純資産総額のうち約4割が「ストラテジック・インカム戦略」(以下、同戦略)をとっていると言う。これは、市場環境の変化に応じて国債や社債、ハイイールド債などの投資比率を機動的に変更してリスクを調整し、安定した収益を目指す戦略のことだ。花村氏は、08年以降に米国が低金利の環境となったことで、「米国債ではかつてほどの金利収入が得られなくなっている」とし、「投資家の間では高い利回りに対するニーズがある一方で、先行きが不透明ななかでも安定的なリターンを獲得したいというニーズも強まり、同戦略に注目が集まっている」と続けた。また、同戦略では、「ハイイールド債のみに投資した場合と比べてリスクを半分程度に抑え、同水準のリターンを得る」ことが可能だと言う。

 同社は同戦略を用いる「USストラテジック・インカム・アルファ(毎月決算型/年1回決算型)」を13年11月に設定。当ファンドは、ノーベル経済学賞受賞者のマイロン・ショールズ氏や、「債券王」ビル・グロース氏が加入したことで知られる米国のジャナス・キャピタル・グループからの投資助言を受ける。日本法人「ジャナス・キャピタル・インターナショナル・リミテッド」日本代表の丸井英樹氏によると、ジャナスの同戦略では、「ドル建てベースで年間リターンがマイナスにならないことを目標」としており、93年の米国での設定以来、年間リターンがマイナスとなったのは94年の1回のみ。今年で20年連続のプラスリターン達成に丸井氏は強い自信をみなぎらせている。

 尚、同戦略を用いる当ファンドは円建てであるため、米国の債券に投資する際は為替リスクが発生する。しかし、円高・米ドル安が予想される局面では、為替変動の影響を受けないように「為替ヘッジ」が一時的に実施され、為替差損が抑えられるような仕組みとなっている。
提供:モーニングスター社
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