11月は過去最大の1兆5331億円流出、国内株式ファンドで利益確定売り拡大―投信協会概況

 11日に発表された投信協会の統計によると、11月の単位型を含む株式投信の資金流出入(設定から解約・償還を差し引いた増減)は、11カ月ぶりに純資金流出に転じ、流出額は1兆5331億円と、同協会が公表する1989年1月以降では最大となった。中でも国内株式に投資するファンドが1兆3320億円の純資金流出と、こちらも投資対象別でデータが確認可能な10年3月以降では最大。11月の1カ月間に日経平均が6.37%高と急上昇したことで利益確定売りが拡大した。

 11月にドル高・円安が8.13%進行し、約7年3カ月ぶりに1ドル=118円台に乗せたことを背景に、海外資産に投資するファンドでも利益確定の動きが見られた。海外債券は3194億円、海外不動産は1675億円とそれぞれ大幅な純資金流出となった。一方で、為替変動の影響を受けない国内債券に投資するファンドは1255億円、国内不動産に投資するファンドは459億円の純資金流入となった。

 なお、株式投信の純資産額は、好調な相場を受けて運用などによる増加額が4兆4616億円と大幅に膨らんだため、76兆1589億円と10カ月連続で増加し、5カ月連続で過去最高を更新している。公社債投信を含む総合計では、2130億円の純資金流入となり、純資産総額は92兆6957億円と6カ月連続で過去最高を更新。100兆円の大台まで8兆円を切っている。
提供:モーニングスター社
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