<投信情報>全体では6カ月連続の流入超、「国内株式型」の復調は本物か? ―5月推計資金流出入
<2カ月連続で流入額は鈍化、資産別上位の顔ぶれに変化>
モーニングスターの独自推計によると、国内追加型株式投信(ETF除く)は15年5月に6956億円の純資金流入と、2カ月連続で流入額は鈍化したものの、6カ月連続の流入超となった。高水準の資金流入が続くが、資産別上位の顔ぶれには変化が見られる。
国内投信における純資金流出入額をモーニングスター大分類別で見ると、流入額上位は、第1位が「国際REIT型」で1416億円(4月は第1位)、第2位は「国内株式型」で1195億円(同第10位)、第3位は「バランス型」で1128億円(同第5位)となり、「国内株式型」と「バランス型」がトップ3に入ったのが目を引く。中でも「国内株式型」は4月まで3カ月連続で最下位(第10位)だっただけに、復調が鮮明だ。一方、従来人気があった「国際株式型」は第4位(同第2位)、「国際債券型」は第7位(同第3位)とそれぞれ順位を落としており、投資家の資金が向かう先は海外資産一辺倒ではなくなってきた。
<「国内株式型」は4カ月ぶりの1000億円超流入も、実態は一部ファンドのみに資金集中>
「国内株式型」は15年1月以来、4カ月ぶりの純資金流入となり、1000億円以上の純資金流入額を記録したのも4カ月ぶりとなる。5月は、日経平均株価が5月29日まで11営業日連続で上昇して2万500円台に乗せる非常に強い相場つきとなり、国内株式の投信も注目されやすかったとみられる。もっとも、資金流入をけん引したファンドを個別に見ると、全ファンドの純資金流入額ランキングで第1位となった「野村 日本企業価値向上オープン(米ドル投資型)」<2015051802>が778億円、第5位となった「野村 日本企業価値向上オープン(円投資型)」<2015051801>が396億円と、5月の新規設定であるこれら2ファンドの影響がかなり大きかった。
そのほか、同ランキングでは「JPX日経400アクティブ・プレミアム(毎月)」<2015021205>が第6位、「日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)」<2014040403>が第8位に入ったが、いずれもカバードコール戦略を用いるファンドであり、単純に日本株の値上がり益を狙うアクティブファンドではない。中・長期の運用実績を有する国内株式ファンドはトップ10のみならず、トップ30まで見ても1本も入っておらず、新規設定ファンドなどに一時的に資金が流入した感は否めない。「国内株式型」への本格的な資金流入が始まったと判断するには時期尚早だろう。
<裾野広い「バランス型」の資金流入、ラップ型や海外高評価ファンドなどが人気>
一方、大分類別で第3位となった「バランス型」はより幅広いファンドに資金が流入している。実際、全ファンドの純資金流入額ランキングでトップ10に入ったバランス型ファンドは1本もなく、「国内株式型」のように特定のファンドに偏った形での資金流入ではない。
個別ファンドでは、5月の新規設定である「三菱UFJ Jリート不動産株<Wプレミアム>(毎月)」<2015050802>の純資金流入額が125億円と、「バランス型」の中ではトップとなったが、同ファンド以外では近年人気を集めるラップ型ファンドや海外で実績のあるバランス型ファンドを中心に安定的に資金が流入している。具体的には、「バランス型」の中で第2位となったラップ型ファンドの先駆け「コア投資戦略ファンド(成長型)」<2012080702>は120億円の純資金流入額となり、28カ月連続の流入超と根強い人気を誇る。また、同第3位は、海外で高評価を受けるブラックロックのチームが運用する「グローバル・アロケーションB(年4回・H無)」<2013102104>で111億円の純資金流入額となり、こちらは13年10月の設定来20カ月連続の流入超と、引き続き投資家の支持を集めている。
提供:モーニングスター社
モーニングスターの独自推計によると、国内追加型株式投信(ETF除く)は15年5月に6956億円の純資金流入と、2カ月連続で流入額は鈍化したものの、6カ月連続の流入超となった。高水準の資金流入が続くが、資産別上位の顔ぶれには変化が見られる。
国内投信における純資金流出入額をモーニングスター大分類別で見ると、流入額上位は、第1位が「国際REIT型」で1416億円(4月は第1位)、第2位は「国内株式型」で1195億円(同第10位)、第3位は「バランス型」で1128億円(同第5位)となり、「国内株式型」と「バランス型」がトップ3に入ったのが目を引く。中でも「国内株式型」は4月まで3カ月連続で最下位(第10位)だっただけに、復調が鮮明だ。一方、従来人気があった「国際株式型」は第4位(同第2位)、「国際債券型」は第7位(同第3位)とそれぞれ順位を落としており、投資家の資金が向かう先は海外資産一辺倒ではなくなってきた。
<「国内株式型」は4カ月ぶりの1000億円超流入も、実態は一部ファンドのみに資金集中>
「国内株式型」は15年1月以来、4カ月ぶりの純資金流入となり、1000億円以上の純資金流入額を記録したのも4カ月ぶりとなる。5月は、日経平均株価が5月29日まで11営業日連続で上昇して2万500円台に乗せる非常に強い相場つきとなり、国内株式の投信も注目されやすかったとみられる。もっとも、資金流入をけん引したファンドを個別に見ると、全ファンドの純資金流入額ランキングで第1位となった「野村 日本企業価値向上オープン(米ドル投資型)」<2015051802>が778億円、第5位となった「野村 日本企業価値向上オープン(円投資型)」<2015051801>が396億円と、5月の新規設定であるこれら2ファンドの影響がかなり大きかった。
そのほか、同ランキングでは「JPX日経400アクティブ・プレミアム(毎月)」<2015021205>が第6位、「日本株アルファ・カルテット(毎月分配型)」<2014040403>が第8位に入ったが、いずれもカバードコール戦略を用いるファンドであり、単純に日本株の値上がり益を狙うアクティブファンドではない。中・長期の運用実績を有する国内株式ファンドはトップ10のみならず、トップ30まで見ても1本も入っておらず、新規設定ファンドなどに一時的に資金が流入した感は否めない。「国内株式型」への本格的な資金流入が始まったと判断するには時期尚早だろう。
<裾野広い「バランス型」の資金流入、ラップ型や海外高評価ファンドなどが人気>
一方、大分類別で第3位となった「バランス型」はより幅広いファンドに資金が流入している。実際、全ファンドの純資金流入額ランキングでトップ10に入ったバランス型ファンドは1本もなく、「国内株式型」のように特定のファンドに偏った形での資金流入ではない。
個別ファンドでは、5月の新規設定である「三菱UFJ Jリート不動産株<Wプレミアム>(毎月)」<2015050802>の純資金流入額が125億円と、「バランス型」の中ではトップとなったが、同ファンド以外では近年人気を集めるラップ型ファンドや海外で実績のあるバランス型ファンドを中心に安定的に資金が流入している。具体的には、「バランス型」の中で第2位となったラップ型ファンドの先駆け「コア投資戦略ファンド(成長型)」<2012080702>は120億円の純資金流入額となり、28カ月連続の流入超と根強い人気を誇る。また、同第3位は、海外で高評価を受けるブラックロックのチームが運用する「グローバル・アロケーションB(年4回・H無)」<2013102104>で111億円の純資金流入額となり、こちらは13年10月の設定来20カ月連続の流入超と、引き続き投資家の支持を集めている。
提供:モーニングスター社