ブラックロックが日本初「インパクト投資」株式ファンドを9月に設定、平均下回る低コスト

 ブラックロック・ジャパンは「インパクト投資」をテーマにした投資信託「ブラックロック・インパクト株式ファンド」(愛称:ビッグ・インパクト)を9月30日に新規設定する。同社によると、先進国株式を対象にインパクト投資を行うファンドは日本初となる。

 インパクト投資とは、医療や教育、福祉、環境などの社会的な課題の解決に好影響を与える企業に投資をしつつ投資収益の追求も目指す運用手法だ。従来のSRI(社会的責任投資)ファンドの多くが投資対象として望ましくない銘柄を除くために社会的責任に着目するのに対して、インパクト投資は社会的な課題を解決する企業をより積極的に組み入れる点が異なる。13年開催のG8(主要国首脳会議)では、キャメロン英首相が各国に政府関係者や専門家からなるインパクト投資の作業部会設立を呼びかけ、注目を浴びた。

 インパクト投資において重要となるのは、社会的インパクトをどのように測定するかだが、ブラックロックでは独自の分析モデルのほか、ビッグデータなどの最新技術の活用により差別化を図っている。例えば、医療分野ではWHO(世界保健機関)やNIH(米国立衛生研究所)のデータを収集・分析をすることにより、大きな社会貢献が期待される治療法を研究する企業を発掘する。

 同ファンドでは、為替変動の影響をおさえた「ノーロード/限定為替ヘッジあり」と為替変動の影響がある「ノーロード/為替ヘッジなし」の2コースが用意されている。いずれも購入時の手数料が無料であるほか、信託報酬等(監査費用等含む、税込み)が1.07%と、7月末時点におけるモーニングスターカテゴリー「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」の平均を0.72%下回っており、低コストの商品設計となっている。
提供:モーニングスター社
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