急落局面では「何もせずにとどまること」が重要、あわてて行動する前に考えるべき5つのこと

 24日の米国株式市場ではNYダウの終値が15871ドル(前週末比588ドル安)と、大幅に5日続落し、ほぼ1年半ぶりの安値で取引を終えた。米モーニングスターの調べでは、米国籍の主要な500ファンドのうち、前週末時点ではすでに165ファンドで年初来のリターンがマイナスとなっており、昨日の急落を受けてその数はさらに増加するのは確実だ。こうした状況を受けて、米モーニングスターのラッセル・キネル氏は「急落はいつも投資家の恐怖をあおるものだが、概して何もしないことが最も良い反応である」とする。キネル氏自身が、2000年のITバブル崩壊時にジョン・ボーグル氏(バンガードの創設者)に投資家はこうした状況で何をすべきかと尋ねた際にも「今は何も反応すべきではなく、ただそこにとどまることが重要だ」と語っていたという。

 今後の最大の注目点は、中国の景気減速と9月にFRB(米連邦制度準備理事会)が利上げを行うか否かにあるが、「米国はインフレ率が低くとどまる一方で、景気は良くなっており、FRBは利上げを行うことで資産バブルを防ぐ必要がある。中国の景気減速は利上げの時期を遅らせる要因にはなるかもしれないが、もし9月に行わなくても、FRBが来年にかけて利上げを徐々に行っていくことにかわりはない」としている。

 米モーニングスターのジェイソン・スティップ氏は、急落局面で慌てて行動する前に投資家に考えてみてほしい5つの点として、第一に「自身のアセットアロケーションおよび現金の比率を確認すること」、第二に「長期投資の目的は何であったか見つめなおすこと」、第三に「(価格変動ではなく)バリュエーションによる評価を絶対に忘れないこと」、第四に「割安で購入できるのであればそれに対する準備をしておくこと」、第五に「ストレスを感じるなら、そのストレスを発散しよう! 」を挙げている。

 第三の点については、米モーニングスターが調査対象としている米国上場の個別銘柄の株価は、前週末の時点ですでに平均で8%程度割安となっており、今回の急落を受けて10%以上割安になっている可能性があるとする。第五の点については、保有している株式(ファンド)を現金化したい衝動にかられたら、まずその前にテレビの経済番組のスイッチを消して、散歩をし、深呼吸をしてみるとよいだろう、としている。
提供:モーニングスター社
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