3つ星以上に資金集中、新規5つ星獲得ファンド「新興国中小型なのに低リスク? 」=投信情報

 国内公募追加型株式投信(確定拠出年金およびファンドラップ専用、ETF等除く)のうち、15年9月(以下、同月)末時点でモーニングスターがレーティング対象としているファンドは2670本(全ファンド中65%)、純資産総額では42兆円(同82%)となった。同月の純資金流出入額(推計値)では5つ星が650億円、4つ星が1402億円、3つ星が886億円の流入超となる一方、2つ星以下は合計で587億円の流出超過となり、3つ星以上に資金が集中した。レーティング対象ファンドのうち同月末時点における純資産額が10億円以上、かつ前月末とカテゴリーが同一のファンドは1723本で、そのうちレーティング上昇は133本、低下は118本、新規付与は8本となった。

 レーティングが上昇した133本のうち、5つ星となったのは22本。そのうち、「(ネット証券専用)新興国中小型株ファンド」<2011072204>は、新興国の中小型株式を主要な投資対象とする。一般的に中小型株は大型株に比べてリスクが高くなる傾向があるが、当ファンドはポートフォリオのリスクを抑えるために「最小分散ポートフォリオ」を構築することで、相対的に良好なパフォーマンスを達成している。実際、過去3年間のトータルリターンは18.47%(年率)と、カテゴリー平均を8.01%上回る一方で、標準偏差は15.83%(同)と同平均よりも2.14%低く抑えられており、シャープレシオはカテゴリー内で上位6%の高さとなっている。

 同じく新たに5つ星を獲得した「MHAM USハイイールドファンド(毎月決算型)」<2009063001>は、米国のハイ・イールド債券を主要な投資対象とし、実質的な運用は米独立系運用会社のロード・アベット社が行う。同社のハイ・イールド債券は海外で高い評価を受けており、米国籍ハイ・イールド債券ファンド「Lord Abbett High Yield A」(最も設定が古いシェアクラス)は15年9月末時点で米国のモーニングスターレーティングが5つ星となっている。

 新規付与の8本のうち、5つ星となったのは3本。そのうち、「エマージング社債オープン(毎月)H有」<2012092808>は、新興国の米ドル建て社債を主要な投資対象とするファンドで、過去3年間のトータルリターンは1.05%(年率)と、カテゴリー平均を3.58%上回り、カテゴリーに属するファンド31本中で第2位になった。金利変動に対する債券価格の感応度を示すデュレーションは15年8月末時点で5.43年と、カテゴリー内のファンドに比べて相対的に短く、新興国市場の混乱が続く中で金利変動リスクを抑えることが優れたパフォーマンスの一因となった。
提供:モーニングスター社
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