5つ星に資金集中、カテゴリー内で最も低コストの日本株ファンドは長期投資でさらに割引

 国内公募追加型株式投信(確定拠出年金およびファンドラップ専用、ETF等除く)のうち、15年10月(以下、同月)末時点でモーニングスターがレーティング対象としているファンドは2676本(全ファンド中64%)、純資産総額では44兆円(同81%)となった。同月の純資金流出入額(推計値)では5つ星が249億円、3つ星は60億円の流入超となる一方、4つ星が61億円、2つ星以下は合計で679億円の流出超過となり、5つ星に資金が集中した。レーティング対象ファンドのうち、同月末時点における純資産額が10億円以上、かつ前月末とカテゴリーが同一のファンドは1750本で、そのうちレーティング上昇は97本、低下は83本、新規付与は9本となった。

 レーティングが上昇した97本のうち、5つ星となったのは10本。そのうち、「ひふみ投信」<2008100102>は、国内外の上場株式を主要な投資対象とするアクティブファンドである。15年10月末時点における過去5年間のシャープレシオがカテゴリー内で上位10%内(43本中第4位)と、運用の効率性が相対的に高いだけでなく、信託報酬等(監査費用等含む、税込み)は最も低い。さらに、継続して5年、もしくは10年以上保有している投資家に対しては、信託報酬を一部還元する方式を取り入れており、長期投資を促している。

 同じく新たに5つ星を獲得した「三菱UFJ 海外債券オープン」<2000081105>は、日本を除く世界主要国の公社債を主要な投資対象とするアクティブファンドである。15年10月末時点における過去3年間のトータルリターン、シャープレシオがいずれもカテゴリー内で上位3%内(113本中第3位)と、相対的な運用成績、効率性ともに優れている。

 新規付与の9本のうち、5つ星はなく、4つ星となったのは1本。「G金融ハイブリッド証券プレミアム(毎月)」<2012103001>は、世界の金融機関が発行するハイブリッド証券(株式と債券の中間の特性を持つ証券)を主要な投資対象とするアクティブファンドである。欧州の金融機関に対する自己資本規制強化に伴い、金融機関が有利な条件で繰上償還や買い入れ消却の対象とする点に注目する。15年10月末時点における標準偏差はカテゴリー内で26本中第1位と、相対的にリスクが抑えられている。

 新規付与の8本のうち、5つ星となったのは3本。そのうち、「エマージング社債オープン(毎月)H有」<2012092808>は、新興国の米ドル建て社債を主要な投資対象とするファンドで、過去3年間のトータルリターンは1.05%(年率)と、カテゴリー平均を3.58%上回り、カテゴリーに属するファンド31本中で第2位になった。金利変動に対する債券価格の感応度を示すデュレーションは15年8月末時点で5.43年と、カテゴリー内のファンドに比べて相対的に短く、新興国市場の混乱が続くなかで金利変動リスクを抑えることが優れたパフォーマンスの一因となった。
提供:モーニングスター社
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