国内投信全体は年初来で最低の流入額、“日本郵政ファンド”鮮烈デビューならず−10月推計資金流出入

<全体は2912億円の純資金流入、11カ月連続流入超>

 モーニングスターの独自推計によると、国内追加型株式投信(ETF除く)は15年10月に2912億円の純資金流入となった。11カ月連続の流入超だが、純資金流入額は2カ月連続で鈍化し、年初来では最も低い水準となった。国内投信における純資金流出入額をモーニングスター大分類別で見ると、流入額上位は、第1位が「国内株式型」で1465億円、第2位は「国際REIT型」で960億円、第3位は「国際株式型」で433億円だった。「国内株式型」は大分類別で5カ月連続1位となったものの、純資金流入額は9月の4095億円から急減速している。9月は国内株式市場が大幅に下落するなかでインデックスファンドへの資金流入がおう盛だったが、10月は株価が急反発するなか、こうした逆張り狙いの資金流入は低迷。とは言え、中・長期的な株価上昇への期待も低く、資金流入の勢いは鈍っている。

<個別ではトップ10のうち「国際REIT型」が3本ランクイン>

 10月の個別ファンドの純資金流入額ランキングを見ると、第4位が「フィデリティ・USリートB(H無)」<2003120902>で282億円、第8位は「ラサール・グローバルREIT(毎月分配型)」<2004032603>で172億円、第9位は「新光 US−REITオープン」<2004093002>で162億円と、上位10ファンドのうち3ファンドが「国際REIT型」だった。10月はFOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げが見送られたほか、ドラギECB(欧州中央銀行)総裁は追加金融緩和の可能性を示唆した。先進国で緩和的な金融政策が長引き長期金利が低水準となるなか、相対的に高い利回りが得られるREITは根強い人気がある。

 また、10月は新規設定ファンドも資金流入をけん引した。個別ファンドの純資金流入額ランキングでは、第1位が「ダイワ 米国株主還元株ファンド」<2015102005>で413億円、第6位は「日興E・D・ロスチャイルド・グローバルCB(H無)」<2015103009>で187億円と、10月の新規設定ファンドが2本入った。なお、11月4日に新規上場した日本郵政グループ3社の株式を主要投資対象とする「日本郵政株式/グループ株式ファンド」<2015101501>の純資金流入額は65億円と一定額の資金を集めたものの、純資金流入額ランキングでは第40位、「国内株式型」に限れば第10位にとどまり、日本郵政グループ3社の株式市場での注目度の高さに比べると“鮮烈デビュー”とはならなかった。

<「国際債券・ハイイールド債(為替ヘッジなし)」が13カ月連続で流出超、通貨選択型が苦戦>

 モーニングスターカテゴリー別に見ると、純資金流出額上位は第1位が「株式ブル型」で504億円、第2位は「国際債券・ハイイールド債(為替ヘッジなし)」で449億円、第3位は「国際債券・エマージング・複数国(為替ヘッジなし)」で399億円となっている。特に「国際債券・ハイイールド債(為替ヘッジなし)」は13カ月連続の流出超と、流出に歯止めが掛からない。ハイ・イールド債券は原油価格低迷によるエネルギーセクターへの影響が引き続き懸念されている。また、個別ファンドの純資金流出額ランキングでは、第10位が「アムンディ・欧州ハイ・イールド債券(リラ)」<2011102709>で61億円、第12位は「アムンディ・欧州ハイ・イールド債券(豪ドル)」<2011102708>で48億円と、新興国や資源国の通貨選択型の苦戦が目立つ。
提供:モーニングスター社
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