モーニングスター年末特集=15年月間売買代金ランキング1位のブル・ベア投信、新規設定相次ぐ(1)

<残高が1兆円超え、売買代金もトップ、急拡大を続けるブル・ベア型投信>

 2015年、ブル・ベア型投信(注1)の残高が1兆円を突破、14年末と比較して2倍以上に急拡大している。13年3月以降、アベノミクスをきっかけに残高が増えていたが、15年は夏頃の世界同時株安を受け急落したところに個人投資家の買いが殺到、残高を押し上げた。

 (注1)モーニングスターカテゴリーにおいて「為替ブル・ベア型」「株式ブル・ベア型」「債券ブル・ベア型」のいずれかに属するファンド(ETF含む、ファンドラップおよび確定拠出年金向け除く)以下、当レポート内のコメント

 ブル・ベア型投信とは、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などの指数に対して、「変動率」が、2倍や3倍などの値動きを取るよう運用される投資信託で、ブル型とベア型に分類される。「ブル型」は、上昇相場において高いリターンが期待できるタイプを言う。一方、「ベア型」は下落相場で高いリターンが期待できるタイプを指す。例えば、2倍の変動率を目指すブル型投信では、仮に日経平均が3%上昇する時に、その2倍の変動率となる6%上昇するよう運用される。また同様に、マイナス1倍の値動きを目指すベア型投信では、日経平均が3%“下落”する時に、3%“上昇”するように運用される。個人投資家にとって、先物やオプション取引は仕組みが複雑であり運用するにはハードルが高い。一方で、ブル・ベア型の投資信託であれば通常の投資信託や株式と同じように取引ができるため取り組みやすく人気を集めている。

 東証が公表している15年の月間売買代金ランキング(1月−11月)では、ETF・ETN部門でブル型ETF「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570.T>」の売買代金が11カ月連続1位を記録、個別株上位常連の「トヨタ自動車」<7203.T>に対し平均2倍以上買われており、15年の日本市場において最も活発に取引された銘柄となった。

<15年新規設定ファンドが全体の3分の1、個性的な商品がそろう>

 15年、新しく31本のブル・ベア型投信が設定された(11月末時点)。現在運用をしている全98本の約3分の1が今年設定されたこととなり、注目度が高い。中でも17本が株式型のブル・ベアETFであり、人気が集まっている。中身を確認すると、JPX400連動のタイプや日本株に対し3.7倍もしくは4.3倍など2倍以上の高い倍率で動くタイプ、ブラジルレアルやインド株等新興国に投資するタイプなど、今までに無い商品性のものが目立った。運用会社各社が独自性を打ち出し資金を集めようとしている様子がうかがえる。

 (2)へつづく
提供:モーニングスター社
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